中島彰一

中島 彰一（なかじま しょういち）は、1966年7月1日に茨城県石岡市に生まれた、日本の元アマチュア野球選手であり、また長年にわたり野球指導者としても活躍しました。

伝説の甲子園決勝打

取手第二高校に進学した中島氏は、強豪校の正捕手としてチームを支えました。高校3年生となった1984年、チームは夏の全国高等学校野球選手権大会に出場。木内幸男監督率いる取手二高は快進撃を続け、決勝へと駒を進めます。対戦相手は、当時「KKコンビ」を擁し圧倒的な強さを誇っていたPL学園でした。歴史的な一戦となったこの決勝戦で、中島氏はPL学園のエースとして後にプロ野球界を代表する投手となる桑田真澄氏から、試合の均衡を破る決勝点となるスリーランホームランを放ちました。この一打がチームを勢いづけ、取手二高は初の全国制覇を達成。中島氏の決勝打は、今なお語り継がれる甲子園の伝説的なシーンの一つとなっています。夏の甲子園での活躍が評価され、同年秋には韓国遠征を行う高校日本代表チームのメンバーにも選出されました。

大学、そして社会人野球での歩み

高校卒業後、中島氏は東都大学野球リーグに加盟する東洋大学に進学しました。大学でも捕手としてプレーし、3年秋にはリーグ優勝を経験します。4年次にはチームの主将を務めるなど、中心選手として活躍しましたが、秋季リーグ後の入替戦でチームは惜しくも敗れ、2部リーグ降格の苦渋を味わいました。また、下級生には後にプロ野球に進む黒須隆氏が入学し、ポジションを争う中で控えに回る時期もありました。大学でのチームメイトには、1学年上にプロ野球選手となった山下徳人氏らがいました。

大学卒業後は、社会人野球の名門である住友金属鹿島（後に日本製鉄鹿島に名称変更）に入社し、アマチュア野球選手としてのキャリアを続けます。ここでも捕手としてプレーし、チームの主将を務めるなど、そのリーダーシップを発揮しました。都市対抗野球大会など、社会人野球の主要大会でも活躍し、チームの勝利に貢献しました。

指導者としての長き道のり

現役引退後、中島氏は住友金属鹿島でコーチとして新たなキャリアをスタートさせました。選手の育成やチームの強化に尽力し、指導者としての経験を積みます。そして、2002年にはチームの監督に昇格。2008年までの第一次政権では、チームを牽引し社会人野球界で実績を重ねました。その後、一旦は監督を離れますが、2015年に再び日本製鉄鹿島の監督として指揮を執ることになります。第二次政権は2024年シーズン終了まで続き、実に長きにわたりチームの指揮官を務めました。この間、社会人野球日本代表チームのコーチも務めるなど、アマチュア野球界全体の発展にも貢献しました。

自身の豊富な野球経験、特に捕手としての専門知識や指導理論は、『野球想像力を育てる捕手ドリル 差がつく練習法』という著書にまとめられ、多くの野球指導者や選手に影響を与えています。

長年にわたる監督としての活動を終え、中島氏は2024年シーズン終了をもって日本製鉄鹿島の監督を退任することを発表。今後は社業に専念する意向を示しており、野球指導の第一線からは退くことになります。甲子園のヒーローから、社会人野球の指導者としてチームを率いたその歩みは、多くの野球人に記憶されています。

長年にわたる監督としての活動を終え、中島氏は2024年シーズン終了をもって日本製鉄鹿島の監督を退任することを発表しました。今後は社業に専念する意向を示しており、野球指導の第一線からは退くことになります。甲子園のヒーローから、社会人野球の指導者としてチームを率いたその歩みは、多くの野球ファンに記憶されています。選手としても指導者としても、日本のアマチュア野球界に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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