中島鋭治

中島鋭治：日本の近代水道を築いた技術者

中島鋭治（なかじま えいじ、1858年11月17日 - 1925年2月17日）は、日本の土木技術者であり、東京帝国大学（現在の東京大学）の名誉[[教授]]です。工学博士の学位を持ち、「日本の近代上水道の父」「近代衛生工学の父」などと称えられています。宮城県仙台市に生まれ、日本の近代水道の発展に大きく貢献しました。

生涯と業績

1858年、中島鋭治は仙台藩の城下町で生まれました。幼少期から学問に励み、仙台藩の藩校である養賢堂、官立宮城外国語学校で学びました。1883年には東京大学理学部土木工学科を首席で卒業し、そのまま大学の助[[教授]]となりました。その後、古代建築物の調査や海外留学を経て、専門知識を深めていきます。

1887年から3年間、文部省の命により欧米各国へ留学し、橋梁工学と衛生工学を学びました。特にドイツでは水道工事の実際を学び、イギリスでは上下水道に関する調査を行いました。また、ヨーロッパ各国の土木工事やローマ時代の給水法についても研究しました。これらの海外での経験は、後の日本における水道事業の発展に大きく影響しました。

帰国後、中島は内務省技師として東京市の水道改良工事基本計画の修正に携わり、東京府技師、東京市水道技師を歴任しました。1896年には東京帝国大学の土木工学教授となり、後進の育成にも尽力しました。また、箱根宮ノ下御用邸への給水引き込みの設計協力や、東宮御所の水道施設など、日本各地や満州における近代水道施設の建設に携わりました。彼の設計は、駒沢給水塔（東京都世田谷区）のように、現在でもその姿を見ることができます。

中島の業績は水道事業だけでなく、都市計画や衛生工学にも及んでいます。中央衛生会委員や都市計画調査会委員としても活動し、日本の都市インフラの発展に貢献しました。また、1905年には大韓帝国の委嘱を受け、朝鮮半島での水道整備にも関与しました。

1921年に東京帝国大学を退官し、名誉[[教授]]となりましたが、1925年には土木学会会長に就任するなど、晩年まで土木工学の発展に尽力しました。しかし、同年2月17日に脳溢血で急逝し、日本の近代水道の発展に大きな足跡を残しました。

主な経歴

1858年：仙台に生まれる
1870年：仙台藩藩校・養賢堂に入学
1874年：官立宮城外国語学校に進学
1883年：東京大学理学部土木工学科を首席卒業、同大学助[[教授]]
1887年：文部省の命で3年間米欧各国に留学
1891年：内務省技師補、東京市の水道改良工事基本計画を修正
1896年：東京帝国大学土木工学教授に就任
1921年：東京帝国大学を退官、名誉[[教授]]
1925年：土木学会会長に就任、脳溢血で急逝

栄典

1905年：正五位
1915年：正四位
1903年：勲六等瑞宝章
1906年：勲五等瑞宝章

著書

『小都会ノ水道事業ヲ私立会社ニ許可スルノ途ヲ開クヘキノ議』(1894年)
『東京市水道要覧抜萃』(1896年)
『欧米各市ニ於ケル市事業視察復命書』(1902年)
* 『英和工学字典』(共編、1908年、1916年、1925年)


中島鋭治は、その卓越した技術力と熱意によって、日本の近代水道の基礎を築きました。彼の業績は、今日の私たちの生活を支えるインフラの基盤となっています。彼の功績は後世に語り継がれるでしょう。

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