中川和彦

中川和彦

中川和彦（なかがわ かずひこ、1931年8月7日 - 2019年2月20日）は、日本の法学者であり、商法、経済法、比較法の分野で顕著な業績を残しました。成城大学名誉教授、上智大学イベロアメリカ研究所名誉所員、元日本ラテンアメリカ学会理事長という数々の要職を歴任し、日本の法学研究に大きく貢献しました。2010年には、その功績が認められ瑞宝中綬章を受章しました。

生涯

1931年、中川和彦はメキシコのシナロア州マサトラン市で生を受けました。異文化の中で育まれた国際的な視野は、後の研究活動に大きな影響を与えたと考えられます。

1950年、広島県立尾道東高等学校を卒業後、一橋大学に進学し、法学の道へと進みました。一橋大学では、修士課程、博士課程を修了し、法学博士の学位を取得しました。専門は商法および経済法であり、吉永榮助教授のゼミに所属していました。

学術活動

1964年、成城大学経済学部の専任講師として教鞭を執り始め、その後、助教授、教授へと昇進しました。1966年からは上智大学で非常勤講師も兼任しました。成城大学においては、法学部長、大学院研究科長を歴任し、大学の発展に尽力しました。教え子には、関満博一橋大学名誉教授などがいます。また、日本ラテンアメリカ学会理事長としても学会の発展に貢献しました。

1973年から1976年まで、母校である一橋大学でも非常勤講師を務めました。さらに、メキシコ国立自治大学比較法研究所やバルセロナ比較法研究所の客員研究員、上智大学イベロアメリカ研究所準所員、東京外国語大学、早稲田大学、立教大学の非常勤講師など、数多くの教育・研究機関で教鞭を執りました。

1977年、成城大学に法学部が新設されると、法学部教授に転任し、1987年からは大学院法学研究科教授も兼任しました。

2002年、長年にわたる教育・研究活動に終止符を打ち、成城大学を定年退職し、名誉教授の称号を授与されました。退職後も、研究活動への情熱は衰えることなく、法学の発展に貢献しました。

2010年春、長年の学術的貢献が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

中川和彦は、商法、経済法、比較法といった専門分野において、卓越した研究成果を上げ、多くの後進を育成しました。また、国際的な視野を持ち、ラテンアメリカとの学術交流にも積極的に取り組みました。その功績は、日本の法学界に深く刻まれています。

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