中川文人

中川文人（なかがわ ふみと、1964年 - ）は、日本の作家、編集者、そして実業家として多岐にわたる分野で活躍しています。有限会社ヨセフアンドレオンの代表取締役を務めています。

来歴

中川氏は、法政大学文学部哲学科を中退後、レニングラード大学（現在のサンクトペテルブルク大学）にも在籍しましたが、こちらも中退しています。法政大学在学中には、監獄小説『余は如何にしてイスラム教徒となりし乎』を発表しました。この作品は後に『1987年の聖戦』と改題されています。また、学生時代には黒ヘルと呼ばれるグループのリーダーとしても活動していました。雑誌『情況』では、「中川文人氏は80年代後半に、法政大学ノンセクトを率いて学内中核派との抗争を勝利に導いた人物」と評されています。

中川氏の家系も特筆すべき点があります。父方の祖父である藤岡淳吉は、日本共産党の創立メンバーの一人であり、後に脱党し、共生閣や聖紀書房、彰考書院などの出版社を経営しました。また、兄の中川右介は、音楽評論家、編集者としてクラシックやポップス、歌舞伎などに関する著作を多数発表しています。

1999年、広告制作プロダクションを経て、編集プロダクション・ヨセフアンドレオンを設立しました。同社では、コンビニエンスストア向けの雑学本を多数手がけ、中でも『身近な人に「へぇー」と言わせる意外な話1000』（J＆Lパブリッシング著、朝日文庫、2003年）は、文庫版と電子版を合わせて220万部を超えるベストセラーとなりました。

2010年12月には、電子書籍出版サイト「わけあり堂」をオープン。このサイトでは、2011年3月11-12日の東日本大震災で被災した長野県栄村の復興支援活動を行う松尾眞（当時は京都精華大学教員、現在は栄村村会議員）と連携し、被災地の現況をリアルタイムでウェブ配信しました。

さらに、2012年4月からは、共同通信社のニュースサイト「NEWSMart」にて4コマ漫画「ツァラトゥストラの社訓」（斉田直世と共作）の連載を開始しました。2018年4月からは、朝日新聞社の書評サイト「好書好日」にて、4コマ漫画「ツァラトゥストラの編集会議」（同じく斉田直世と共作）を連載しました。

2020年1月からは、1968年創刊の老舗左翼雑誌「情況」にて、法政大学時代の学生運動の体験を基にした反体制ハードボイルド小説「黒ヘル戦記」を連載。2020年4月からは、朝日新聞社の「論座」にて、4コマ漫画創作論「4コマ作家のドラマの作り方」を連載し、2021年1月からは同じく「論座」で映画批評「名作映画の原作を読んでみた」を連載しました。

2024年1月には、彩流社より『黒ヘル戦記』が書籍として出版されました。

主な著書

中川氏は、小説、雑学本、漫画原作、評論など、幅広いジャンルの作品を手がけています。

『余は如何にしてイスラム教徒となりし乎』 アイピーシー、1987年
『地図を見るのが10倍楽しくなる本――〈国道の秘密〉編』 青春出版社、2001年
『身近な人に「へぇー」と言わせる意外な話1000』（J＆Lパブリッシング著）朝日文庫、2003年
『数字のどこをみてるんだ!』（数字で日本を暴く会著）宝島社、2004年
『地獄誕生の物語』 以文社、2008年
『ポスト学生運動史――法大黒ヘル編 1985～1994』（外山恒一聞き手）彩流社、2010年
『ソビエト社会主義共和国連邦の冬』（池田伸哉著、中川文人解説）彩流社、2011年
『デルクイ01 反体制右翼マガジン』（デルクイ編集部編、共著）彩流社、2011年
『デルクイ02 左右混淆反体制マガジン』（デルクイ編集部編、共著）彩流社、2013年
『黒ヘル戦記』彩流社、2024年

また、電子書籍も多数出版しており、以下のような作品があります。

『サムライコミュニズムとは何か』 わけあり堂、2012年
『1分で読める戦国武将50 (アドベンチャーブックス 雑学シリーズ)』 アドベンチャー、2013年
『超短編 戦国の物語50』 わけあり堂、2013年
『ツァラトゥストラの社訓』全5巻 わけあり堂、漫画原作・中川文人、絵・斉田直世
『サムライの名言100』 ヨセフアンドレオン、2014年
『1987年の聖戦』 ヨセフアンドレオン、2014年 - 「余は如何にしてイスラム教徒となりし乎」の改題
『キャバクラでモテる小ネタ1000』 Ｊ＆Ｌパブリッシング、2014年 - 「身近な人に「へぇー」と言わせる意外な話1000」の改題
『黒ヘル戦記』ヨセフアンドレオン、2021年

関連項目

中川氏の活動に関連するキーワードとして、ノンセクト・ラジカルがあります。

外部リンク

中川文人note
有限会社ヨセフアンドレオン
Twitter中川文人
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