中村利次

中村 利次とは

中村利次（なかむら としつぐ、1917年3月3日 - 1980年9月1日）は、日本の昭和期における著名な労働運動家であり、政治家としても活躍した人物です。彼は参議院議員を2期務め、従四位と勲二等という名誉を受けました。

生い立ちと初期の経歴

中村利次は長崎県南高来郡南有馬町で、船員の家庭に生まれました。彼は4人兄姉の末っ子であり、若いころからの家庭環境が彼の価値観や社会への関心に大きな影響を与えたことでしょう。1934年に長崎県立島原中学校を卒業した後、1938年に上京し、京王電気軌道に入社しました。これが彼の職業人生のスタートとなります。

1942年、太平洋戦争が勃発すると、電力供給事業が関東配電に譲渡されることとなり、彼は新しい環境での仕事を余儀なくされました。更に徴兵を受け、大村連隊に所属し、日中戦争に従軍しました。その際には、戦傷を負い、帰国後は広島の陸軍病院に入院する経験をしました。

労働運動への参加

戦後の日本社会は大きな変革を迎えており、中村はその動きに積極的に関与しました。1946年には、電産都支部変電分会の組織部長に就任し、労働運動の中での役割を果たしました。1951年には東京電力の創立に伴い、再び職場を移り、全国電力労働組合連合会の副会長を務めるなど、労働団体での活動を続けました。そして1969年には東京電力労働組合中央執行委員長に就任し、労働者の権利擁護や福祉向上に努めました。

また、彼は電労連政治活動委員会の参与や民社党の電力政策特別委員長といった役職も務め、政治的な活動も展開しました。

政治家としての活動

1971年に行われた第9回参議院議員通常選挙では、民社党から全国区の候補者として出馬し当選を果たします。1977年には再選を果たし、合計で2期にわたって参議院議員として活動しました。この間、民社党の統制委員を務めたり、国会対策副委員長としても活躍し、政治の場でも重要な役割を果たしました。

晩年

1980年、中村利次は参議院議員在職中に肺癌を患い、東京電力病院でその生涯を閉じました。彼の死去に際しては、勲二等瑞宝章が追贈され、従四位に叙される名誉が与えられました。彼の選挙や労働運動での努力は、後の世代に多大な影響を及ぼしています。

人物像

個人的な側面では、1980年の時点で禁煙をしていたものの、かつてはヘビースモーカーであったという側面もあります。このように、彼の人生には多くの側面があり、戦争体験や労働運動での活動を通じて培った人生観は、後の政治活動にも色濃く反映されていたのではないでしょうか。

中村利次の生涯と業績は、労働運動や政治における重要な一歩として記憶され続けています。

もう一度検索