中村勝人

中村勝人：宇部市の発展に尽力した政治家

中村勝人（なかむら かつと）は、1927年6月27日に生まれ、2011年7月22日に亡くなった日本の政治家であり、地方公務員でした。彼は山口県宇部市長を2期務め、宇部市の発展に大きく貢献しました。

生涯

中村勝人は、1927年に山口県吉敷郡東岐波村（現在の宇部市）で生まれました。旧制宇部工業専門学校（現在の山口大学工学部）を卒業後、1950年に東岐波村役場に入所しました。東岐波村が宇部市に編入された後は、宇部市役所で庶務課長、財務課長、企画調整部次長、市民部長を歴任しました。

市役所を退職した後は常勤監査委員を務めていましたが、1987年、当時の参議院議員であった二木秀夫に後継市長候補者として推薦され、宇部市議会の正副議長と主要5会派から市長選への出馬要請を受けました。当初、中村は回答を見送りましたが、最終的には市長選への出馬を決意しました。

1987年の宇部市長選挙で、中村は自民党の推薦を受け、対立候補に大差をつけて初当選を果たしました。市長に就任した中村は、バブル景気という好況下で、市内の大規模開発を盛り込んだ「宇部アクティブ10」を発表し、積極的な市街地開発や公共施設の整備を推進しました。彼は「20万定住都市構想」を掲げ、宇部市の発展を目指しました。

1期目の任期満了を前にした1991年、小野湖畔へのゴルフ場建設計画に対する市民の反発から、二木秀夫参議院議員に市長就任を要請したとして辞意を表明しましたが、二木が出馬を断念したため、辞意を撤回しました。同年、保守系の候補者たちが次々と市長選への出馬を表明する中、中村も再選への意欲を示し、出馬を決意しました。

1991年の宇部市長選挙は、22年ぶりの激戦となりましたが、中村は他の候補者を大きく引き離して再当選を果たしました。2期目では、引き続き公共施設の整備等に取り組み、市制70周年記念事業として総合運動公園の整備を決定しました。また、1992年には宇部市と中国山東省威海市との間で友好都市協定を締結しました。

しかし、ゴルフ場開発計画への反発は根強く、バブル経済の崩壊も重なり、市街地開発を中心とした政策の見直しを迫られました。1993年にはリコールが成立し、出直し市長選への出馬も検討しましたが、各政党や企業からの支援が得られず、政界を引退しました。

引退後は、宇部市・ニューカッスル市姉妹都市友好協会会長や宇部社会福祉協議会会長、茶道裏千家淡交会宇部支部長などを務めました。

2011年7月22日、入院先の病院で生涯を閉じました。

主な役職

宇部市・ニューカッスル市姉妹都市友好協会会長（1994年-2002年）
宇部社会福祉協議会会長（1997年-2006年）
* 茶道裏千家淡交会宇部支部長


中村勝人は、宇部市の発展に尽力した政治家として、その名が記憶されています。

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