中村博之

中村博之（なかむら ひろゆき）

中村博之氏は、1960年に青森県青森市に生まれた、日本の著名な会計学者である。現在は横浜国立大学大学院国際社会科学研究院の教授を務める傍ら、同学の学長補佐としても大学運営に携わっている。専門分野は資本予算研究であり、この分野における国内有数の研究者として知られる。また、学術組織においては、日本原価計算研究学会の副会長を務めるなど、学会活動にも積極的に貢献している。

学歴と初期キャリア

中村氏は、まず横浜国立大学経営学部管理科学科で学び、1985年に卒業した。その後、より専門的な研究を深めるため、一橋大学大学院商学研究科の修士課程に進み、1987年にこれを修了して商学修士の学位を取得した。修士課程においては、会計学研究の第一人者である岡本清氏の指導を受けた。続いて博士後期課程に進んだが、1989年に単位を取得して退学している。

研究者としてのキャリアは、1989年に富山大学経済学部に助手として着任したことから始まる。富山大学では順調に昇進を重ね、1990年には専任講師となり、1992年には助教授に就任した。

横浜国立大学と国際的な活動

1994年には、母校である横浜国立大学の経営学部に助教授として戻る。その後、2001年にはフランスのポワティエ大学に外国人招聘助教授として招かれ、国際的な研究交流を経験した。2004年には横浜国立大学経営学部で教授に昇任し、教育・研究活動の中心的な存在となる。2005年には再びポワティエ大学に招聘され、今度は外国人招聘教授として招聘を受けた。

2013年には、横浜国立大学の組織改編に伴い、同大学院国際社会科学研究院の教授に配置換えとなり、現在に至るまで教育と研究の最前線で活躍している。

学内・学会における活動

大学における教育・研究活動に加え、中村氏は大学運営や学会活動においても重要な役割を果たしている。横浜国立大学においては、過去に準硬式野球部の部長を務めた経験があるほか、現在は学長補佐として大学全体の運営に深く関与している。また、専門分野である会計学の学会においては、日本原価計算研究学会で副会長の要職を務めるなど、学術の発展と普及に貢献している。

研究指導

教育者としては、数多くの後進の指導にあたっており、その門下生からは研究者を輩出している。例えば、筑波大学准教授の岡田幸彦氏などが、中村氏のゼミ出身である。

主要な著書

中村氏は、専門分野に関する複数の重要な著作を世に送り出している。共著や共編著の形で、他の研究者と共に資本予算研究や管理会計分野の研究成果を広く共有している。

『企業経営の財務と会計』（蜂谷豊彦と共著）朝倉書店, 2001年
『管理会計論』（山本浩二, 小倉昇, 尾畑裕, 小菅正伸と共編著）中央経済社, 2008年（第2版2015年）
『管理会計論 問題演習編』（山本浩二, 小倉昇, 尾畑裕, 小菅正伸と共編著）中央経済社, 2010年
『管理会計の変革』（高橋賢と共編著）中央経済社, 2013年

これらの著作は、資本予算や管理会計を学ぶ学生や研究者にとって重要な文献となっている。

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