中村和雄 (バスケットボール)

中村 和雄（なかむら かずお）

中村和雄は、日本のバスケットボール界において著名な指導者として知られています。彼は1940年12月4日に秋田県男鹿市船越に生まれ、多くの名門チームの監督として成功を収めました。特に、鶴鳴女子高校やENEOSサンフラワーズ、浜松・東三河フェニックス（現在の三遠ネオフェニックス）などでの業績が際立っています。

バスケットボールとの出会いと成長

中村は、船越中学でバスケットボールを始め、その後秋田高校、芝浦工業大学では主将として数々の戦績を残しました。卒業後は、鉄興社（現在の日本重化）や秋田いすゞ自動車（横浜ギガスピリッツ）でプレイヤーとして活動し、指導者の道を志すことになります。彼の指導者としてのキャリアは、1966年に鶴鳴女子高校に赴任したことから始まります。

鶴鳴女子高校での成功

中村が鶴鳴女子高校に着任した1972年、彼の手腕でチームは春の選抜、インターハイ、国体での優勝を果たし、史上初の3冠を達成します。この快挙は、彼の名を広める契機となり、以降のキャリアに大きな影響を与えました。

共同石油での実績

1974年からは実業団リーグの共同石油の監督に就任し、2年後には日本リーグに昇格。同チームを率いて、1980年代前半には日本リーグ6回、オールジャパン5回の優勝を果たします。この期間、彼は1979年から1981年および1985年から1990年まで全日本女子の監督を経験し、国際舞台でも成果を上げました。

浜松・東三河フェニックスとその後

1995年からは秋田経済法科大学の監督を務め、その後1998年からオーエスジーフェニックスの監督に就任。1999年には実業団大会での優勝と日本リーグ2部昇格を成し遂げ、彼の指導力が光りました。浜松・東三河フェニックスに名称が変更された後も指揮を執り、2009-2010シーズンには最優秀コーチとして初優勝に貢献しました。

最後の指導者としてのキャリア

2010-2011シーズンにも連覇を達成し、再び最優秀コーチを受賞しましたが、同年に退任。その後、秋田ノーザンハピネッツHCとして指導にあたり、2013-2014シーズンにはチームを初のファイナルに導くも、シーズン終了と共に退任しました。2015年には新潟アルビレックスBBのヘッドコーチに就任し、2016年5月に退任しました。現在は秋田でアマチュア指導者として活躍するほか、スポーツ解説者としても活動しています。

言葉と影響

中村の座右の銘「心をこめて」は、渋谷センター街に刻まれたモニュメントとして、多くの人々に彼の信念を伝えています。また、日本工学院八王子専門学校が主催する「KAZU CUP」という高校バスケットボール大会は彼の名前に由来しており、彼の影響は次世代へと受け継がれています。

著書

彼のバスケットボールに対する考えや技術をまとめた著書に『攻撃バスケットボール―技術と練習法』（1987年、成美堂出版）や、『心をこめて』（1989年、スポーツイベント）があります。これらの著作は、バスケットボールの指導において必要な知識を広める手助けとなっています。

もう一度検索