中村茂 (スーパーセンテナリアン)

中村茂：平和を願い生きた、最高齢の生涯

中村茂（1911年1月11日 - 2022年11月15日）は、広島県神石郡神石高原町で生涯を送った男性です。111歳という長寿を全うし、国内男性最高齢者としても知られていました。

生い立ちと戦争

広島県神石郡神石高原町で生まれた中村茂は、第二次世界大戦中に広島で被爆するという経験をしました。原爆投下の2日後、遺体整理のために広島市内に入り、入市被爆。被爆者健康手帳を所持していました。2022年9月のインタビューでは、戦争について「同僚が職場を離れて会えなくなった寂しさが胸を離れません」と語り、平和への強い願いを口にしていました。「戦争はだめ。平和が一番」という言葉は、彼の口癖でした。

戦後の生活

戦後、中村茂は土木作業に従事し、5人の子供を育てました。10人の孫にも恵まれ、退職後は農業を営み、米や葉タバコを栽培しました。2003年に妻を亡くしてからは、100歳を超えるまで一人暮らしをしていました。炊事や洗濯も自身で行い、畑に桜や紅葉の木を植え、季節の移り変わりを楽しんでいたそうです。

晩年

2018年からは、神石高原町の介護施設に入所。コーヒーが好きで毎日欠かさず飲んでいたといいます。食事は介助なしで食べることができ、和牛と一口まんじゅうがお気に入りでした。2022年9月9日には、上田幹藏の死去に伴い、国内男性最高齢者となりました。

2022年11月に入り体調を崩し、同年11月15日未明に永眠。111歳という、激動の時代を生き抜いた、大往生でした。

中村茂は、戦争の悲惨さを身をもって体験し、平和の尊さを誰よりも知る人物でした。彼の言葉と生き方は、私たちに平和の重要性を改めて教えてくれます。

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