中橋耕平

中橋 耕平（なかはし こうへい）

中橋耕平は、1987年7月6日生まれ、青森県青森市出身のミュージカル俳優です。日本のエンターテイメント界、特にミュージカルの世界で精力的に活動しており、劇団四季に所属しています。

来歴

幼少期から音楽に親しんでいたわけではありませんが、中学時代に声楽と出会ったことが、その後の人生を決定づける大きな転機となりました。声楽の魅力に惹きつけられた中橋は、本格的に学び始めます。地元の青森県立青森東高等学校を卒業後、音楽の道をさらに深く追求するため、昭和音楽大学へ進学。大学では声楽科にて専門的な指導を受け、歌唱技術と表現力を磨きました。

大学での学びを深める中で、ミュージカル俳優という職業への憧れを抱くようになります。卒業を目前にした2009年、日本のミュージカル界を牽引する劇団四季の研究所に入所することを決めました。研究生として厳しい訓練を積んだ後、翌2010年に劇団四季の正所属俳優となります。

プロのミュージカル俳優としての初舞台は、2010年5月26日、JR東日本アートセンター四季劇場［秋］にて上演されたミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』東京公演でした。この作品でアンサンブルの6枠という役を務め、劇場に立つ夢を実現させました。初舞台以降、中橋は様々な作品で経験を積み重ねていきます。

特に重要なキャリアの一つに、2013年に日本で初演されたディズニーミュージカル『リトルマーメイド』があります。この記念すべきプロダクションにおいて、主人公アリエルを騙そうとする悪役アースラの部下、ジェットサム役のオリジナルキャストの一人として抜擢されました。初演キャストとして作品の立ち上げに関わった経験は、俳優としての幅を広げる貴重な機会となったでしょう。その後も『リトルマーメイド』には関わり続け、2019年には愉快なフランス人シェフ、シェフルイ役も演じています。

人物

舞台上では様々な役柄を演じる中橋ですが、プライベートではスポーツ観戦を趣味としています。特にプロ野球が好きで、地元の球団である東北楽天ゴールデンイーグルスの熱心なファンとして知られています。贔屓チームの応援を通じてリフレッシュし、舞台への活力を得ているのかもしれません。

また、食に関しても地元への愛着を感じさせる一面があります。好きな食べ物として挙げているのは、青森県のソウルフードの一つである青森煮干しラーメンです。濃厚な煮干しの風味が特徴のこのラーメンは、多忙な舞台生活を送る中橋にとって、故郷を思い出す味であり、特別な存在なのでしょう。

主な出演作品

劇団四季での長いキャリアの中で、中橋は多彩な作品に出演し、様々なキャラクターを演じてきました。以下に主な出演作品を挙げます（括弧内は初出演年を示します）。

サウンド・オブ・ミュージック（2010年：アンサンブル6枠、2012年：アンサンブル7枠）
ユタと不思議な仲間たち（2011年：ヒノデロ）
リトルマーメイド（2013年：ジェットサム、2019年：シェフルイ）
ジーザス・クライスト=スーパースター（2014年：司祭2）
ガンバの大冒険（2016年：ノロイ）
ノートルダムの鐘（2016年：アンサンブル5枠）
王様の耳はロバの耳（2017年：将軍ボイルドエッグ）
オペラ座の怪人（2020年：アンサンブル5枠）
* キャッツ（2021年：アスパラガス＝グロールタイガー／バストファージョーンズ）

これらの作品以外にも、劇団四季のレパートリーである多くのミュージカルやストレートプレイに出演しており、アンサンブルから主要キャストまで幅広い役柄をこなしています。特に『キャッツ』でのアスパラガス＝グロールタイガーやバストファージョーンズといった印象深い役柄、また『リトルマーメイド』のジェットサムやシェフルイなど、個性的なキャラクターを演じることにも定評があります。

中橋耕平は、中学時代に始めた声楽を礎に、劇団四季という日本を代表するカンパニーで着実にキャリアを築き上げてきました。青森県出身のミュージカル俳優として、これからも多くの舞台で観客を魅了し続けることが期待されます。

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