中津川村 (鹿児島県)

中津川村の概要

中津川村は、1949年2月1日から1954年12月1日まで、鹿児島県薩摩郡に存在した村です。薩摩郡大村の飛地であった南方と北方が分立し、成立しました。その後、昭和の大合併により求名村、永野村と合併し、薩摩町の一部となりました。現在のさつま町中津川地区にほぼ相当します。

自治体としての歴史

中津川地区は、大村の中心部から離れた飛び地であり、不便さが問題視されていました。1920年代から分村の議論があり、1949年2月1日に中津川村として独立しました。当時の人口は2,745人、戸数は469戸で、主な産業は農林業でした。

しかし、昭和の大合併において、人口規模が小さかったため、周辺の求名村、永野村と合併し、1954年12月1日に薩摩町が発足しました。これにより、中津川村としての歴史は5年で幕を閉じました。薩摩町の役場は、新町の中心部である旧求名村の広橋駅付近に置かれました。その後、薩摩町は2005年に宮之城町、鶴田町と合併し、さつま町の一部となりました。

行政

中津川村の役場は、発足当初、中津川村農業協同組合の事務所の一部を借用していました。1952年7月12日に、組合立明和中学校中津川教場の跡地に新庁舎が完成しました。この庁舎は薩摩町発足後、「薩摩町役場中津川支所」となりましたが、1959年3月末に廃止されました。その後は、公民館や診療所として利用されました。村長は、森永明が2期務めました。

教育

中津川村立中津川小学校

中津川小学校は、大村時代は北南小学校という名称でしたが、中津川村の発足と同時に改称されました。2024年度に閉校しました。中津川地区の学校教育は1880年に始まり、当初は南方と北方の2校がありましたが、1882年に統合され、中津川小学となりました。その後、分離と統合を経て、1949年に中津川村立中津川小学校となりました。

黒木村中津川村組合立明和中学校

中津川村は生徒数が少なかったため、黒木村と共同で中学校を運営していました。1947年5月2日に「大村黒木村組合立明和中学校」として開校しました。校名は、開校時の校長が「明朗にして和やかな学校に」と願って命名しました。当初は分散授業を行っていましたが、1951年に両村の境界に新校舎が建設されました。

その後、学校組合の構成自治体の変化に伴い、薩摩町立薩摩中学校中津川教場、祁答院町立黒木中学校と変遷し、1970年に両校の新校舎完成に伴い廃校となりました。中学校跡地は、釣竿工場や金網工場として利用されました。なお、さつま町発足後の2019年にさつま町内全中学校がさつま町立宮之城中学校へ統合されています。

農業協同組合

1948年2月28日に中津川地区単独で「大村北南農業協同組合」が発足し、1949年2月1日の中津川村発足時に「中津川村農業協同組合」に改称されました。その後、合併を経て、「北さつま農業協同組合」となりました。中津川支所は、2016年に廃止されました。

集落

1998年時点で、以下の6つの集落がありました。

別野（べつの）
弓之尾（ゆんのお）
武（たけ）
白猿（しとざい）
尾原（おばい）
北方町（きたかたまち）

まとめ

中津川村は、短い歴史の中で、分村から合併、そして町の変遷を経験しました。その歴史は、現在のさつま町中津川地区に深く刻まれています。教育機関や産業組合の変遷も、地域の歴史を物語る重要な要素です。

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