中洲流

中洲流の概要

中洲流（なかすながれ）は、福岡市博多区の中洲を拠点とする博多祇園山笠の構成単位であり、その独自の歴史と文化を持っています。中洲流は昭和24年に、かつての土居流の加勢町「東中洲（中洲若）」から独立して設立された流であり、現在では博多の七流の一つに数えられています。

歴史

中洲の地域は、江戸時代には魚町流（福神流）の一部でした。戦前には土居流の加勢町として山笠に参加していましたが、1949年に独立し「中洲流」として活動を始めました。これにより、独自性を持つ流として成長し続けています。

運営と行事

中洲流では、毎年山笠の祭りで舁き山と飾り山を組み立てます。飾り山は、中洲繁華街を縦断する中洲大通りに設置されます。この運営には中洲五丁目から中洲一丁目までの町が当番として協力し、地域の活性化を図っています。また、特に中洲に本社を構える辛子明太子メーカー「ふくや」との関係も歴史的に深いものがあります。

服装

中洲流の参加者は、特別な衣装を着用しています。統一された長法被（当番法被）と水法被があり、長法被は「中洲」の文字がデザインに組み込まれています。水法被は、背中には「中洲」の文字、襟には「中洲若」と記載され、子供用のものには「中洲子」とも書かれています。また、締め込みは主に紺や黒のものが用いられています。

これらの法被を着用する際には、水法被が下着として使われることが特徴であり、かつては他の流でも行われていましたが、今では中洲流固有の慣習となっています。

構成町

中洲流は、新町名に基づく5つの町から成り立っています。具体的には、中洲一丁目から五丁目までの地区が含まれており、ときには「中洲」を省略して〇丁目と呼ばれる場合もあります。また、加勢町や満津若（堅粕の一部）、翁若（馬出）、警固若（警固）なども地域として存在しています。

お汐井取り帰路

中洲流のお汐井取りの帰路は、西門橋から博多部に向かう経路を取ります。この行事は、かつて加勢町として土居町流の一部だった頃の名残であり、伝統を受け継いでいます。

志賀海神社参拝

特に独自の内容として、中洲流は志賀海神社にお礼参りを行う風習があります。これは、かつてその砂浜の真砂を「お汐井」として使用していたことに由来します。このような風習を通じて、中洲流はその伝統と地域文化を引き継ぎ、守り続けています。

中洲流は、ひとつの地域の伝統行事として、博多祇園山笠に深く関与し、地域社会の繋がりを強化する重要な役割を果たしています。

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