中満泉

中満泉 (なかみつ いずみ)

中満泉（なかみつ いずみ、1963年生まれ）は、日本の国際連合職員であり、女性として初めて国際連合事務次長に就任し、軍縮を担当する上級代表を務めています。彼女の豊富な経歴と国際社会への貢献は、特に日本国内外で注目されています。

経歴

東京都の出身で、フェリス女学院高等学校在学中から国連職員を志すという明確な目標を持っていました。1987年に早稲田大学法学部を卒業後、1989年にはアメリカのジョージタウン大学の外交大学院で国際関係論の修士号を取得します。その後、同年に国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）に入所し、社会人としてのキャリアをスタートさせました。

UNHCRでは法務官や人事政策担当官を務め、その後も旧ユーゴスラビアに関する事務所長や国連事務総長特別代表上級補佐官として、多岐にわたる職務を経験しました。また、国連本部においても重要な役割を担っており、国連改革チームのファースト・オフィサーや国際民主化支援機構（International IDEA）の官房長など、国際機関においてリーダーシップを発揮してきました。

2005年にはスウェーデンの外交官と結婚し、生活拠点を日本に移した後、一橋大学大学院法学研究科の教授も務めました。その後、国際連合に復帰し、2008年から2012年にかけて国連平和維持活動局での政策・評価・訓練部長、さらにアジア・中東部の上級部長として、アフガニスタンや中東地域の問題に取り組んでいました。2014年には初代の危機対応局長に就任し、同年9月には国連事務次長（軍縮担当）に指名されます。

国際舞台での活動

中満氏は、多くの国際的な会議やフォーラムに参加し、日本の立場を代表しています。特に、銃器規制や核軍縮に関する国際的な議論でも重要な役割を果たしてきました。2017年に事務次長に就任した後は、日本人女性として初めてのこの地位に期待が寄せられ、国際社会における日本の活動への影響力を強めています。彼女はまた、フォーチュン誌による「世界の最も偉大なリーダー50人」にも選ばれるなど、国際的な評価も高いです。

2022年には、日本国外務省によって安倍晋三国葬儀に国連代表として参加することが発表され、多くの注目を集めました。

人物

中満氏は1997年にスウェーデン人外交官と結婚し、二人の娘の母でもあります。彼女はスウェーデンでの経験を通じ、「スウェーデンは理想的な社会のひとつ」と述べており、多文化的な視点から国際問題に取り組んでいます。

著作物

中満氏は数多くの著作や論文を発表しており、「国際協力の現場から」というテーマでの『外交フォーラム』でのエッセイや「危機の現場に立つ」という著書が特に知られています。これらの文献には、彼女の深い知見や国際社会への貢献が反映されています。

彼女の活動は、国際連合における日本の存在感を高め、今後の国際情勢においても一層大きな影響を与えることが期待されます。

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