中澤流護身術

中澤流護身術（なかざわりゅうごしんじゅつ）

中澤流護身術は、日本の護身術のひとつであり、柔術の流派にカテゴライズされます。この流派は、山梨県出身の中澤蘇伯によって創始され、彼の教えに基づいた多様な技法を持っています。中澤流護身術は、その実践的なアプローチから多くの人々に支持されてきました。

歴史

中澤流護身術は、創始者である中澤蘇伯によって発展し、一時期は非常に多くの弟子を持つ流派として知られていました。彼は護身術の講習会を通じて、短期間で技術を習得できる教授法を取り入れ、数多くの人々にその魅力を伝えました。しかし、残念なことに中澤蘇伯の死後、この流派は一時的に衰退しました。

その後、蘇伯の弟である中澤輝一、さらに孫の中澤好夫が復活の試みを行ったものの、流派の普及には至りませんでした。流派はしばらくの間中断されていましたが、平成に入って国際水月塾武術協会の小佐野淳が中澤流に入門し、免許皆伝を取得したことにより、新たな復活の道が開かれました。小佐野は中澤流の全ての技法と中澤家に残された資料を受け継ぎ、四代目としての役割を果たしました。現在、中澤流護身術は国際水月塾武術協会により伝承されています。

系譜

中澤流護身術の系譜は、次のようになっています。初代流祖は中澤蘇伯で、その後天地霊保、並木蘇治、奥山龍峰（八光流開祖）を経て二代目が中澤輝一、三代目の中澤好夫、四代目の小佐野淳が後を継いでいます。

技法

中澤流には多様な技法が存在し、以下のように十二段階にわかれています。

初段抜手術

12本の技法があり、代表的な技には上ゲ抜キ、内撚抜キ、外撚抜キなどがあります。

二段返手術

12本の技法があり、引腕返シや両手返シといった技が含まれます。

三段体返術

12本の技法で、頭髪返シや両胸返シなどを使用します。

四段座捕七法方式

4本の技法があり、座捕り左方式や胸捕り右方式が含まれます。

五段四方投八法方式

8本の技法で、正則左右左方式や左右突抜睾丸當などがあります。

六段真剣白刃捕四法方式

こちらも4本の技法を持ち、匕首切込や日本刀躰飜法が含まれています。

七段暴漢早縄術三方式

3本の技法で、立躰捕り左方式などがあります。

八段体堅法

12法があり、呼吸法や握拳法、頭堅法などが含まれます。

九段当身術

12手の技法があり、片手投や後先当などが使用されます。

十段早当術

12手があり、石火当や出合当などがあります。

十一段活用法

7法をもっており、心身の鍛錬を強調した内容が特徴です。

十二段戦前法

12法があり、必勝法や位置法などが含まれています。

さらに、極秘妙術として多様な技術が用意されており、救急法や気合術の極意に至るまで多岐にわたります。これらは護身術としてのみならず、自己の心身を鍛えるための重要な手段として位置づけられています。

参考文献

• - 『武道極意護身術秘伝』護身術研究会 編
• - 『神伝護身術 : 心身鍛錬気合応用』中澤蘇伯 著、愛国神武会発行

関連項目

• - 八光流柔術
• - 国際水月塾武術協会

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