中生新千本

中生新千本（なかてしんせんぼん）

中生新千本は、1950年に愛知県で育成されたイネの品種です。この品種は、親となる「隼」と「農林22号」を交配させて開発されました。「中生千本」の代替品種として生まれた新しい中生品種であり、多くの穂を生産する特性を持っています。

特徴

中生新千本の熟期は中生であり、特に多収性に優れています。また、草丈は短く、倒伏に対しても強い耐性があります。しかし、同時に腹白や乳白粒が発生しやすいという欠点も抱えています。この品種は昭和40年代に近畿地方から中国地方にかけて普及しましたが、早生品種への需要が高まるにつれ、その栽培は徐々に減少してきました。現在、主に兵庫県、岡山県、広島県、山口県で栽培されています。

中生新千本の千粒重は22.9gと適度であり、独特の甘みと粘りが特徴です。そのため、直接食べても美味しいと評判です。心白はほとんど見られないものの、タンパク質含量が低いことから、酒米としての利用も多く見られます。特に、酒の醸造に適した特性を持つため、いくつかの酒造メーカーにも選ばれています。

関連品種

中生新千本には、いくつかの関連品種があります。まず、子品種として「千本錦」があり、こちらは「山田錦」を花粉親として本品種を種子親として交配されたものです。また、孫品種として「土佐錦」があり、本品種を花粉親にして「幸風」を種子親とした「中国55号」と「中系419」との交配によって生まれました。

使用される酒米

酒米としての人気は高く、中生新千本を基にした酒造りは 多くの蔵元によって行われています。醸造に合わせた米の選定は特に重要で、この品種の持つ特性が酒にどのように影響するかは、職人たちにとっての大きな課題です。適度な甘みと少ないタンパク質は、上質な酒を醸すために不可欠な要素です。

まとめ

中生新千本は、その豊富な穂数や多収性、味わいのよさから、高い評価を受けているイネの品種です。特に西日本での栽培が目立ち、酒米としての需要も高いため、今後の栽培や利用方法に注目が集まります。日々進化する品種改良により、さらに注目される品種へと成長が期待されます。

もう一度検索