中興 (南朝斉)

中興（ちゅうこう）は、中国南北朝時代の南斉において、和帝蕭宝融（わて しょうほうゆう）の治世で使用された元号です。期間は501年から502年までと短く、斉王朝の終焉と、新たな梁王朝の幕開けという歴史的な転換期にあたります。

中興の時代背景

当時の南斉は、政治の混乱と内紛が絶えない状況でした。和帝は、実権を握っていた梁王蕭衍（りょうおう しょうえん）によって擁立された傀儡君主であり、その政権基盤は非常に脆弱でした。このような状況下で、中興という元号が用いられたことは、王朝の再興という願いが込められていたと考えられます。

中興年間の出来事

中興元年（501年）: 和帝が江陵（こうりょう）で即位し、元号を中興と改めました。前皇帝である蕭宝巻（しょうほうかん）を廃位し、涪陵王（ふりょうおう）に降格させました。
中興元年12月: 涪陵王（蕭宝巻）が宮中で殺害されました。死後、東昏侯（とうこんこう）に降格されました。
中興2年1月: 蕭衍が梁公（りょうこう）に封じられました。
中興2年2月: 蕭衍が王に封じられました。
中興2年3月: 和帝が蕭衍に皇帝の位を譲り、これにより斉王朝は滅亡しました。

元号としての「中興」

「中興」という言葉は、一度衰えたものが再び盛んになるという意味を持ちます。この元号が用いられた背景には、南斉王朝の再興という願いが込められていたと考えられます。しかし、実際には、南斉は中興を果たすことなく滅亡し、蕭衍によって梁王朝が建てられることとなりました。中興は南斉最後の元号として、その短い歴史に幕を閉じました。

西暦・干支との対照表

元号	暦年	干支
:-	:--	:-
中興元年	501年	辛巳
中興2年	502年	壬午

関連事項

元号一覧 (中国)
* 他王朝の中興（曖昧さ回避）：中国の歴史上、他の王朝でも「中興」という言葉が用いられた例があります。

中興は、南斉王朝の終焉と梁王朝の成立という、中国史における重要な転換期を象徴する元号として記憶されています。

もう一度検索