中華人民共和国審計署

中華人民共和国審計署は、国務院に直属する重要な政府機関であり、その主な役割は、政府機関および国有企業の財政収入と支出の監査を行うことです。この機関は、日本の会計検査院に相当する機能を持ち、国家の財政運営における透明性と責任を確保する上で不可欠な存在です。1983年9月15日に設立されて以来、中国の財政監督システムの中核を担ってきました。

組織構成

審計署は、多様な分野をカバーする専門的な部門で構成されています。これらの部門は、それぞれ特定の監査対象と責任範囲を持っています。

弁公庁: 審計署の日常業務を円滑に進めるための事務機能を担当します。
法規司: 監査に関連する法令や規定の策定、解釈、および執行を担います。
財政審計司: 政府の財政運営全般に関する監査を行います。
行政事業審計司: 行政機関や公共事業体の財政状況を監査します。
農業・資源環保審計司: 農業、天然資源、環境保護に関連する資金の流れを監査します。
固定資産投資審計司: インフラプロジェクトなどの固定資産投資に関する監査を行います。
金融審計司: 銀行、証券会社、保険会社などの金融機関を対象とした監査を行います。
企業審計司: 国有企業などの企業の財務状況を監査します。
社会保障審計司: 社会保障基金の運用状況を監査します。
外資運用審計司: 外国からの投資資金の利用状況を監査します。
経済責任審計司: 政府幹部の経済責任に関する監査を行います。
境外審計司: 中国国外における資産や活動に関する監査を行います。
国際協力司: 国際的な監査協力活動を推進します。
人事教育司: 審計署の人事管理と職員の教育を担当します。
機関党委: 党の組織活動を指導します。
離退休幹部局: 退職した幹部の管理を行います。

補助機関

監査研究所: 監査技術や理論に関する研究を行います。

歴代審計長

審計署の長である審計長は、その時々の政治状況や経済状況を踏まえ、組織を率いてきました。以下は歴代の審計長です。

于明涛（1983年6月–1985年3月）
呂培倹（1985年3月–1994年5月）
郭振乾（1994年5月–1998年3月）
李金華（1998年3月–2008年3月）
劉家義（2008年3月–2017年4月）
胡沢君（2017年4月–現在）

現職の審計長である胡沢君氏は、2017年4月からその職を務めており、中国の財政監査の最前線で指揮を執っています。

外部リンク

中華人民共和国審計署（中国語）

中華人民共和国審計署は、中国の財政健全性を維持し、公共資金の不正利用を防ぐ上で、非常に重要な役割を果たしています。その活動は、国民の税金が適切に使われているかを監視し、政府と企業の責任を明確にするために不可欠です。

もう一度検索