中谷ミチコ

中谷ミチコは、1981年東京に生まれた美術家、彫刻家です。彼女の作品は、一般的なレリーフとは異なり、凹凸が反転しているという特徴を持つ立体作品です。その独特な表現方法は、国内外で注目を集めています。

略歴

中谷は、2005年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業後、ドイツのドレスデンに留学しました。2010年にはドレスデン美術大学を卒業し、2012年には文化庁の新進芸術家海外研修制度に採択され、拠点をドレスデンに移しました。2014年にはドレスデン造形芸術大学マイスターシューラーストゥディウムを修了しています。

彼女は、2010年に「VOCA展」（上野の森美術館）で奨励賞を受賞しました。2018年には「DOMANI・明日」展（国立新美術館）に、「カラスの群れの鮮烈な作品」や「空が動く」を出品し、「大地の芸術祭」にも参加しています。2019年からは多摩美術大学彫刻学科の講師を務めており、同年には個展「その小さな宇宙に立つ人」を三重県立美術館柳原義達記念館で開催しました。

2020年8月には、幅9メートルにも及ぶパブリック彫刻《白い虎が見ている》が東京メトロ銀座線虎ノ門駅の渋谷方面行ホームに設置され、大きな話題となりました。この作品は、虎ノ門の地名の由来とされる四神「白虎」をモチーフに、白い虎のマスクと戯れる少女たちの群像を凹型レリーフで表現したものです。中谷独自の技法による立体表現と、その迫力は見る人を圧倒します。制作中、彼女は「ずっと『原爆の図』の幽霊を背負っているような感覚だった」と述べています。

2021年1月には、これまでの活動と将来性が評価され、新鋭作家に贈られるタカシマヤ美術賞を受賞しました。

中谷ミチコの作品は、従来の彫刻の概念にとらわれず、独自の視点と技法で、私たちに新たな芸術体験をもたらしてくれます。彼女の今後の活動からも目が離せません。

主な受賞歴

2010年: VOCA展 奨励賞
2021年: タカシマヤ美術賞

主な展示歴

2018年: DOMANI・明日展
2018年: 大地の芸術祭
2019年: 個展「その小さな宇宙に立つ人」

パブリック彫刻

2020年: 《白い虎が見ている》東京メトロ銀座線虎ノ門駅

外部リンク

中谷ミチコ オフィシャルサイト

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