中野新町 (名古屋市)

中野新町の概要

中野新町（なかのしんちょう）は、愛知県名古屋市の中川区および熱田区に存在する町名である。中川区には中野新町1丁目から7丁目まで及び6つの小字があり、熱田区には字イノ割が見られる。なお、住居表示は未実施であり、熱田区の中野新町は鉄道用地のみとなっている。

地理的特徴

中野区の中野新町は名古屋市の南東部に位置し、周囲を福船町、太平通、昭和橋通、八家町と接している。中川運河の河川用地には6つの小字が残存している。熱田区の中野新町は名古屋港線の鉄道用地のみで構成されており、古新町と八剱町に隣接している。

小字の一覧

中野新町はその前身である中野外新田に由来する小字を持っている。現存する小字には、熱田区に位置するものには★、中川区に位置するものには■の記号が付されている。消滅した小字は特定の背景色で示されている。

歴史的経緯

中野新町は江戸時代の開発に由来し、中野外新田の一部として取り扱われていた。1641年、この地域の有力な百姓である鬼頭家が開発を行い、26年後の1667年には尾張藩士の鈴木嘉十郎に給地として提供された。以降、この地区全体が鈴木氏の管理下に置かれていた。中野外新田は、現在の中野新町を含む広大なエリアを指しており、名古屋港線の西側から名古屋市立工業高等学校の「二十番用水」までの範囲に及んでいた。

生産活動は盛んで、カボチャやトウガン、スイカ、柿などが栽培され、地域外への流通も行われていた。尾張国愛知郡の重要な農業地帯とされており、周辺の村々からも労働力が供給されていた。文政年間には人口も増加し、昭和5年には中川運河が開通したことにより、地域の発展にも寄与した。

近代の発展

1889年に中野外新田は八幡村大字中野外新田として合併した。名古屋港線の開通が1911年に実施され、その後1921年に名古屋市に編入され、中野新町と改称された。この時期には中川運河の掘削も計画され、多くの住民が移転し、現在の中野新町2丁目から7丁目に居を構えることとなった。

戦後、中野新町は借家の需要が増大し、住宅地として栄え、道路整備や鉄工業の発展も見られた。鬼頭弥五郎の功績を称えて建てられた「鬼頭氏遺愛碑」は、今でも地域内に残っている。

行政区画の変遷

中野新町の行政区画は度々変更されており、1889年には中野外新田が八幡村大字中野外新田となった。1921年には名古屋市南区に編入され、その後1937年に中川区に編入された。1945年と1952年には篠原町の一部も編入された。地名は、その後も小規模な変更が行われ、多くの小字が熱田区や中川区に統合される形で変遷を遂げている。

地域の施設

中野新町の教育機関としては、名古屋市立昭和橋小学校が存在するほか、地域の神社も点在している。最新の郵便番号は中川区中野新町が454-0837、熱田区中野新町が456-0069である。

まとめ

中野新町はその歴史的背景、地理的特性、人々の生活が交錯する地域であり、さまざまな文化が育まれてきた場所である。今後の発展にも注目が集まる。

もう一度検索