中野麻美

日本の弁護士、中野麻美氏は、主に労働問題の分野で活躍しています。

1951年に生まれた中野氏は、1975年に北海道大学法学部を卒業後、法律の道を志し、1979年に弁護士登録（東京弁護士会）を果たしました。現在は「りべるて・えがりて法律事務所」に所属し、労働者側からの視点で様々な問題解決に取り組んでいます。

特に、非正規雇用労働者、とりわけ派遣労働者の権利擁護には長年力を入れており、NPO法人派遣労働ネットワークの理事長も務めています。労働現場で生じる不当な扱い、雇い止め、労働条件の切り下げといった問題に対し、法的な観点から支援活動を行っています。

中野氏は弁護士活動と並行して、多数の著作を通じて労働問題に関する啓発活動も積極的に行っています。その著書は、派遣社員が直面するトラブルへの具体的なQ&A集である『派遣社員トラブルなんでもQ&A こんなにもある!』や、労働者派遣法の詳細な解説書である『労働者派遣法の解説』といった専門書から、現代社会における雇用形態の多様化が生み出す労働ダンピングの問題点を鋭く指摘した岩波新書『労働ダンピング 雇用の多様化の果てに』、さらには雇用破綻の最前線で起こっている実態を報告する『雇用破綻最前線 雇い止め・派遣切り・条件切り下げ』など、幅広いテーマに及んでいます。

共著・共編著も数多く手掛けており、働く女性の母性や健康、権利に焦点を当てた『はたらく女の母性と健康 女性のいのちを美しく』や、男女雇用機会均等法の改正ポイントを解説した『あなたをパワーアップ 改正均等法活用のポイント』など、女性の労働問題に関する著作も目立ちます。また、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといった職場でのハラスメント問題に関する対策を網羅した『ハラスメント対策全書 職場における人権保障と活性化のために』、患者の権利と医療の問題、労働者派遣に関する法律相談集、さらに若い世代向けの法律ガイドや、労働組合向けの権利読本など、様々な立場の人々が必要とする労働関連の知識を提供しています。

これらの活動と著作を通じて、中野麻美氏は、変容する日本の労働環境において、弱い立場に置かれがちな労働者の権利を守り、より公正な社会の実現を目指す上で重要な役割を果たしています。

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