中間判決

中間判決（ちゅうかんはんけつ）

中間判決とは、民事訴訟において、裁判所が訴訟の途中段階で下す判決の一種です。民事訴訟法245条に規定されており、独立した攻撃防御方法や中間の争点について判断が熟した場合、または請求原因と金額で争いがある場合に、請求原因について判断が熟した場合に下されます。

概要

中間判決は、訴訟における争点の一部について、裁判所の判断を明確に示すことで、その後の審理を効率化することを目的としています。例えば、不法行為による損害賠償請求訴訟において、不法行為の有無と損害額の両方が争われている場合、まず不法行為の有無について中間判決を下し、その後に損害額について審理を進めることができます。また、裁判所の管轄権が争点となっている場合に、管轄権の有無について中間判決が下されることもあります。

中間判決は、裁判所が争点の一部について心証を確定的に示すことで、当事者の予見可能性を高め、無益な争いを避ける効果も期待できます。

ただし、実務上、中間判決が下される例は多くありません。有名な例としては、青色発光ダイオード事件における東京地裁平成14年9月19日の中間判決があります。

中間判決に対しては、独立して上訴することはできません。中間判決の内容に不服がある場合は、終局判決に対する上訴において、その不服を主張することになります。

中間確認の訴えとの差異

中間判決と類似するものとして、中間確認の訴えがありますが、これらは異なるものです。

中間判決は、あくまで一つの請求についての途中経過について判断するものであり、終局判決ではないため、既判力は生じません。一方、中間確認の訴えは、訴えの変更の一種であり、なされる判決は終局判決であるため、既判力が発生します。

まとめ

中間判決は、民事訴訟において、争点の一部について裁判所の判断を示すことで、訴訟の効率化を図るための制度です。しかし、中間判決は、終局判決ではないため、既判力は生じません。中間確認の訴えとは異なる点に注意が必要です。

関連項目

判決
終局判決
本案判決
中間確認の訴え

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