中間市保育園バス5歳児死亡事件

中間市保育園バス5歳児死亡事件

中間市保育園バス5歳児死亡事件は、2021年7月29日に福岡県中間市の私立保育園「双葉保育園」で発生した、痛ましい事件です。この事件では、送迎バスの車内に5歳の男児が置き去りにされ、熱中症により亡くなりました。この事件は、保育現場における安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。

事件の概要

2021年7月29日午後5時20分頃、双葉保育園の送迎バス内で、5歳の男児がぐったりしている状態で発見されました。男児は病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。司法解剖の結果、死亡推定時刻は午後1時頃とみられています。この日の福岡県中間市は、最高気温が33度を超える暑さでした。男児は、バスに取り残されたことで、熱中症を発症し、命を落としたと見られています。

捜査と刑事裁判

事件発生後、福岡県警察折尾警察署は、業務上過失致死の疑いで捜査を開始しました。同年8月1日には、園長を含む4人が書類送検されました。また、福岡県と中間市も保育園に対し、児童福祉法に基づく特別監査を実施しました。

2022年4月2日、当時の園長と、降車時の確認を怠った保育士が、業務上過失致死罪で在宅起訴されました。福岡地方裁判所は、同年11月8日、両名に対し有罪判決を下しました。検察側、弁護側ともに控訴せず、判決が確定しました。この裁判では、園側の安全管理体制の不備が厳しく指摘されました。

民事裁判

男児の母親は、2022年12月28日に、当時の園長と保育園を運営する社会福祉法人「新星会」に対し、約5400万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。訴状の中で母親は、園長がバスの車内を十分に確認せずに施錠した過失、また新星会には使用者責任があると主張しました。

2023年8月9日、園側が賠償金を支払うことで和解が成立し、民事訴訟は終結しました。

事件の背景と課題

この事件は、送迎バスにおける子どもの置き去りという、あってはならない事故でした。保育園側は、送迎バスの運行における安全管理体制を徹底する必要があります。また、保育士の意識改革や、園全体としての安全管理に関する教育も不可欠です。

この事件を教訓に、再発防止策を徹底し、子どもたちが安全に過ごせる社会を作ることが求められます。二度とこのような悲しい事件が起こらないよう、関係機関や地域社会全体で取り組む必要があります。

関連事項

バスにおける子どもの置き去り事故
牧之原幼稚園バス3歳女児死亡事件 - 静岡県牧之原市で発生した同様の事件
岸和田乗用車2歳女児死亡事件 - 車内置き去りによる死亡事件
熱中症 / 熱射病 - 本事件の直接的な死因

参考資料

* 報道記事や裁判記録などを参照

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