中間法人

中間法人とは

中間法人（ちゅうかんほうじん）は、かつて存在した日本の法人形態の一つです。営利を目的とせず、かつ、広く公益を目的としない、中間的な性質を持つ団体が法人格を取得できるよう設けられました。現在、中間法人法は廃止され、既存の法人は一般社団法人に移行しています。

設立の背景

日本の旧民法では、法人を営利法人と公益法人の二種類に分けていましたが、実際には営利目的ではなく、かつ公益とも言えない「非営利・非公益」の団体が多く存在しました。例えば、同窓会や業界団体、マンション管理組合などがこれにあたります。これらの団体は、旧民法では法人格を得ることが難しく、「権利能力なき社団」として活動せざるを得ませんでした。

任意団体では、財産を団体名義で所有・管理することが困難なため、代表者などの個人名義とする必要があり、財産の混同や相続、横領といった様々な問題が生じるリスクがありました。こうした課題を解決し、非営利・非公益団体が安定した法的基盤を持って活動できるようにするため、新たな制度が求められていました。

中間法人法の制定

このような背景から、2002年（平成14年）に「中間法人法」が制定されました。この法律に基づき設立された法人が「中間法人」です。中間法人は、特定の構成員（社員）に共通する利益を図ることを目的とし、剰余金を社員に分配しない（非営利である）ことを特徴としました。中間法人法の制定により、これまで法人格を持てなかった中間的な性質を持つ団体にも、法的な主体となる道が開かれました。設立時の形態として、有限責任中間法人と無限責任中間法人の二種類がありました。

一般社団法人への移行

中間法人制度は、2008年（平成20年）12月1日に施行された公益法人制度改革関連法により廃止されました。これにより、中間法人法は効力を失い、既存の中間法人は新しい「一般社団法人」制度へ移行することが定められました。

有限責任中間法人

設立に際しては最低300万円以上の基金が必要で、基金拠出者は原則として法人の債務に責任を負いませんでした。制度改革後、これらの法人は自動的に一般社団法人とみなされましたが、所定の期間内に名称を「一般社団法人」に変更する手続きが必要でした。

無限責任中間法人

設立時の最低基金額の制限はなく、設立時の社員は法人の債務に対し無限の責任を負いました。制度改革後、「特例無限責任中間法人」とみなされ、2009年（平成21年）11月末までに一般社団法人への移行登記を完了させる必要がありました。期限までに移行できなかった場合は、解散したものとみなされ、清算手続きに移行することとなりました。

現在の状況

現在、中間法人は法律上は存在しない法人形態です。かつて中間法人であった団体は全て一般社団法人に移行しているか、あるいは解散しています。中間法人の役割は、現在の一般社団法人制度が引き継いでいます。なお、銀行振込時の略称は「チユウ」でした。

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