丸 (雑誌)

月刊雑誌『丸』の概要

『丸』は日本の月刊軍事雑誌で、1948年に創刊され、1954年から潮書房（現在の潮書房光人新社）が出版を担当しています。創刊当初は政治、経済、文化をニュースとして広く取り上げていましたが、自衛隊の発足や旧日本軍関係者の体験談が増加する中で、軍事専門誌へと変化していきました。この雑誌名の『丸』は、英単語の“Round”から名付けられ、様々な視点から物事を考察する必要性を象徴しています。

歴史と特徴

『丸』は発行当初から常時数名の専属記者を抱え、徹底した取材に基づいたノンフィクションや体験談を掲載してきました。サイズはB6からB5に変更され、特に戦争体験を伝えることに特化しています。特に、太平洋戦争当時の軍艦、軍用機、戦車などの詳細な解説や、戦史を振り返る記事が目立ちます。

2004年のインタビューで編集長の竹川真一は、『丸』は「兵器を愛するマニアだけが読む雑誌」ではなく、実際の戦争の実態を伝えようとする雑誌であると説明しました。たとえば、海賊に対する商船の護衛という日常的な軍事行動を取り上げることで、軍事が個人の生活と深く結びついていることを示しています。

読者層と変遷

日本の戦後復興が進む中で、『丸』も専門分野を持った雑誌が増える中で一般的な軍事情報の供給に注力してきました。しかし、様々な世代や興味を持つ読者層の開拓にも努め、国際情勢の分析やゲームの紹介など新しい試みにも着手しています。特に2000年代以降、体験談の収集が難しくなってきたことから、新しい読者層の獲得が求められるようになりました。

別冊と特集

『丸』は基本的にはB5サイズの雑誌ですが、数々の別冊や特集刊行も行われています。特に、軍用機や艦船を扱った写真集などが季刊や不定期で発行され、特別なコンテンツとして好評を博しました。例えば、特集丸や丸グラフィックはその代表格であり、国内外の兵器に焦点を当てた号が多数発刊されています。

編集方針と現代の動向

竹川編集長が2000年代に入って認識したように、かつての10代の兵士が高齢者になりつつある中で、戦争体験の収集は難しさを増しています。そのため『丸』も、国際情勢を深く掘り下げたり、現代の軍事技術を扱ったりすることで、過去から未来への継続的なつながりを持たせようとしています。また、2017年には産経新聞出版の傘下となり、さらなる情報整理やアーカイブ化が進むことが期待されています。

総括

このように、『丸』は単なる軍事新聞にとどまらず、歴史的な文脈の中で現代の軍事状況をも反映させる意義深い雑誌であり続けています。読者は、戦争や軍事について深く学ぶことができる一方で、娯楽的な要素も取り入れた多角的な視点から情報を享受することができます。

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