丸山義行

丸山義行の歩み

丸山義行（まるやま よしゆき）は、1931年10月28日に栃木県今市市に生まれたサッカー選手、審判員、指導者であり、2024年1月15日に92歳で亡くなりました。彼は日本サッカー界に多大な影響を与え、特にFIFAワールドカップ審判員として日本初の舞台に立ったことで知られています。

早期の経歴とサッカーとの出会い

栃木県立今市高等学校ではアイスホッケー部とサッカー部に在籍し、1950年には中央大学に進学。サッカー部に所属し、小野卓爾の指導を受けて成長しました。1954年に大学を卒業後は小野の指導下でコーチとして活動し、サッカー協会の方針に従い審判員としても活動を始めました。

当初は審判に対して消極的だったものの、試合の重要な役割を果たす審判という職務に魅了され、1956年には日本サッカー協会（JFA）の1級審判員となりました。1961年には国際サッカー連盟（FIFA）から国際審判員として認定され、公式な舞台での活動を開始します。

国際大会での活躍

丸山は国内リーグや日本代表の国際試合において主審として多くの試合を担当し、1964年の東京オリンピックでは副審として2試合に参加しました。その後、1968年のメキシコオリンピックでは、主審としてハンガリー対ガーナ戦を、線審としてチェコスロバキア対タイ戦を担当しました。この際、日本が同大会の準々決勝に進出する可能性があったため、本来の主審の役割から外されたのですが、その後のFIFA会長からの期待もあり、国際舞台での実力も認められました。

特に1970年のメキシコワールドカップでは、日本人として初めて審判に選出され、ペルー対ブルガリア戦およびペルー対モロッコ戦の線審を務めました。これにより、彼の審判としてのキャリアは一層広がり、1979年にはFIFA審判特別功労賞を受賞しました。その後も審判員としての経験を元に、日本サッカー界の発展に寄与する姿勢を貫きました。

指導者としての活動

審判活動の傍ら、丸山は1985年から1992年まで日本サッカーリーグ（JSL）の審判員育成に尽力しました。さらに、母校である中央大学のサッカー部の監督も務め、1978年には関東大学サッカーリーグ戦を制し、1980年と1992年には全日本大学サッカー選手権大会で優勝に導くなど、優れた指導者として名を馳せました。彼が日本各地で行った巡回指導は、サッカーの普及に大きな影響を与え、2001年にはIOCとFIFAから感謝状を贈られています。

人物と功績

他の日本人審判員たちと共に、丸山は審判として、また指導者として、多くの若手育成に取り組んできました。2009年には日本サッカー殿堂にも名を刻むに至りました。生涯にわたる貢献を考えると、丸山義行の功績は日本サッカー界の基盤を築いたと言えるでしょう。彼は2024年1月15日に老衰のため自宅で静かに息を引き取りました。彼の遺した足跡は、今なお多くのサッカー関係者、選手、ファンに影響を与え続けています。

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