丹下一

丹下 一（たんげ まこと）について

丹下一は、1959年に生まれた日本の俳優及び演出家であり、国内外で活動を展開しています。彼は古典演劇や民俗芸能を基盤にした現代の演劇を創造し、即興やプレイバックシアターにも取り組んでいます。丹下は国際演劇協会の会員としても知られ、2010年からは自らのプロジェクトであるTama+ projectを主宰しています。

学歴と初期の活動

丹下は早稲田大学の演劇学科を卒業し、卒業論文では岩手県の早池峰山に伝わる「山伏神楽」をテーマにしました。在学中の1978年には、森尻純夫主宰の劇集団流星舎に参加し、1981年までの解散まで全ての舞台に出演しました。流星舎の企画した早稲田銅鑼魔館におけるプロデュース公演の制作にも関わりました。

1982年から2000年まで千賀ゆう子企画で制作を担当しながら、俳優や楽師としても活躍した丹下は、1983年に迦樓羅舎を設立。旗揚げ公演として、坂口安吾作の「桜の森の満開の下」を上演しました。その後も「夜長姫と耳男」や「1/2（にぶんのいち）」などの作品を手掛けました。

主な舞台・プロジェクト

1997年には金沢市文化ホールで「れんにょさん」の主演を務め、2000年から2003年にはFM-N1主催の音楽祭「座・自音我楽」の構成を担当しました。また、2002年には三重県熊野市で「じょふくさん」の市民劇を指導。2004年から2013年まで、地元の「天女神楽団」において演出を行い、2012年には伊勢神宮外宮水上舞台で「天女神楽」を上演しました。

2010年に設立したTama+ projectでは、2013年から寮美千子作品の舞台化に取り組み、2015年からは震災をテーマにした「Hamlets/ハムレッツ」シリーズの上演を続け、2023年から新たなシリーズ「H/ash」を開始しています。また、2012年には金沢歌劇座で新作オペラ「ラジオスターレストラン 星の記憶」の指導と演出を担当しました。

2021年からは「平家物語」に関するワークショップを開講し、宗教観や歴史的価値観について解説しながら実践的な公演を目指しています。

海外での活動

丹下の海外活動も活発で、1988年にはインドでのツアー「The Dream, One Night Passion」に出演。その後も韓国映画「死の賛美」では声優として参加。ポーランドでは「古事記をめくる」をはじめとした作品を上演し、国内外での公演を通じて日本の文化を広めています。2012年には香港でワークショップを実施しました。

プレイバックシアターへの取り組み

2000年以降、劇団プレイバッカーズに参加し、プレイバックシアターの上演にも力を入れています。いじめ防止授業を全国で実施し、特に2006年にはスクール・オブ・プレイバックシアターを卒業しました。その後も、音楽祭やワークショップを通じて、国内外でメンタルケアに貢献する活動を行っています。

教育活動

丹下は2001年から2010年にかけて国際女性ビジネス会議で講師を務め、2007年から2010年には同志社大学でプロジェクト科目の講義を行いました。これらの活動を通じて、彼は演劇の力を駆使して教育界にも貢献しています。

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