丹南村

丹南村の歴史：江戸時代の陣屋から昭和の合併まで

現在の大阪府堺市美原区と松原市の一部に位置する丹南村は、近代以前から続く歴史を持つ地域です。江戸時代には、高木氏が治めた丹南藩の重要な拠点である丹南陣屋が置かれていました。この陣屋の存在は、丹南村が古くから政治・経済の中心地として機能していたことを示しています。

明治維新後、1889年（明治22年）に町村制が施行されると、丹南郡丹南村は、丹上村、真福寺村、大保村、今井村と合併して新たな丹南村として発足しました。村役場は丹南に置かれ、新たな地方自治体が誕生しました。この時点での丹南村の範囲は、江戸時代の丹南村とは異なっていた点に注意が必要です。

その後、1896年（明治29年）には、所属郡が丹南郡から南河内郡に変更されました。これは行政区域の再編によるもので、丹南村の周辺地域にも大きな影響を与えました。

昭和に入ると、丹南村はさらに大きな変化を経験します。1956年（昭和31年）9月30日、丹南村は黒山村、平尾村と合併して、南河内郡美原町となりました。これは、近隣の町村との統合による規模拡大を目的とした合併であったと考えられます。しかし、合併によって丹南村という名称は消滅することとなります。

さらに、翌1957年（昭和32年）4月1日には、美原町大字丹南の一部が松原市に編入されました。この編入によって、丹南村の領域は完全に消滅し、その歴史は堺市美原区と松原市の一部に継承されることになりました。

丹南村の歴史を振り返ると、江戸時代の丹南藩陣屋から始まり、明治時代の町村制施行、そして昭和時代の合併と編入を経て、その存在は消滅しましたが、その歴史は現在の行政区域に痕跡を残しています。現在の堺市美原区と松原市の住民にとって、丹南村の歴史を知ることは、地域への理解を深める上で重要な要素となるでしょう。

参考文献

井上正雄 (1922). 『大阪府全志』巻之４. 大阪府全志発行所. pp.535-542. (国会図書館デジタルコレクションで公開)

関連項目

大阪府の廃止市町村一覧

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