丹羽雅子

丹羽雅子について

丹羽雅子（にわまさこ、1933年11月21日 - 2019年1月25日）は、家政学の分野で著名な日本の学者であり、奈良女子大学の名誉教授として多くの業績を残しました。彼女の専門は被服学で、女性の視点を大切にしつつ工学分野に新たな感性をもたらしました。特に、京都大学の川端季雄教授との共同研究を通じて風合いについての研究が注目されました。

学際的な貢献

丹羽雅子は、1966年から奈良女子大学で家政学部の講師として教壇に立ち、1968年には「被服材料の力学的性能に関する基礎的研究」で工学博士の学位を取得しました。これにより、家政学と工学が交わる新しい視点を提示しました。彼女は1978年に教授に昇進し、1993年には生活環境学部に移籍するという形でさらにそこでの教育にも貢献しました。

学長としての足跡

1997年4月1日には、奈良女子大学第8代学長に就任し、日本の国立大学では初めての女性学長となりました。彼女の学長時代は、大学の教育や研究の質を向上させるために尽力し、その成果は多くの後進に受け継がれています。学長としての任期は2003年3月31日まで続き、その後も国立大学法人評価委員会委員や中央教育審議会委員として日本の教育界に貢献し続けました。

受賞歴と業績

彼女の研究や教育活動の功績は高く評価され、1999年には紫綬褒章、2009年には瑞宝重光章を受章しました。また、彼女は日本学術会議の会員としても活躍し、さまざまな学術団体での役職を歴任しました。特に1996年には日本熱物性学会の会長に就任するなど、学会活動でもその名を馳せました。

書籍と共著業

丹羽雅子は多くの著書や共編著を持ち、著名な書籍には『被服学概論』や『着心地の追究』、『アパレル科学 美しく快適な被服を科学する』などがあります。また、『被服学辞典』の編集にも携わり、学問の発展に寄与しました。これらの書籍は、今後の研究者や学生にとって貴重な教科書として位置づけられています。

家族と晩年

彼女の夫である丹羽劭昭もまた奈良女子大学の名誉教授として体育学の分野で活動しており、二人は学問の道を共に歩んできました。2019年1月25日に彼女は86歳で亡くなりましたが、その業績や教えは今も多くの人々に影響を与えています。晩年まで彼女は教育と研究に情熱を注ぎ続け、その姿勢は多くの後進の指範となっています。

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