主計局決算課 (1934-1942)

主計局決算課について

主計局決算課は、戦前の大蔵省に設置されていた部署です。この課は、当時の財政行政の複雑化と業務量の増大に対応するために設けられました。具体的には、予算決算課の決算に関する事務と、司計課の一部事務を統合して、1934年（昭和9年）12月26日に新設されました。

設立の背景

昭和初期の恐慌以降、大蔵省の財務行政事務は著しく増加しました。その結果、従来の「1局2課」体制では対応しきれなくなり、各課の規模が拡大しました。特に、課の下に置かれた係の中には、課に匹敵するほどの規模に成長するものも現れ、課内での独立した組織の必要性が高まりました。こうした状況を踏まえ、予算決算課から決算に関する事務が、そして司計課から「支払予算」「年度開始前支出及び定額繰越」「主計簿の登記」といった事務が移管され、決算課が誕生しました。

1942年（昭和17年）6月27日には、決算課は第二課へと改編されました。これは、組織の再編と業務の効率化を目的としたものであったと考えられます。

所掌事務

主計局決算課の所掌事務は、大蔵省分課規定（昭和9年12月26日）に明記されています。主な所掌事務は以下の通りです。

1. 総決算の調製に関すること
国の会計全体の決算を取りまとめる重要な役割を担っていました。

2. 特別会計の決算の調製に関すること
特定の事業や目的のために設けられた特別会計の決算を調製していました。

3. 会計検査院の検査報告に関すること
会計検査院による検査報告に関する事務を担当し、その結果に基づいて必要な措置を講じていました。

4. 支払予算に関すること
予算に基づいて支出を行うための事務を扱っていました。

5. 年度開始前支出及定額繰越に関すること
年度開始前に必要な支出や、予算の繰り越しに関する事務を処理していました。

6. 主計簿の登記に関すること
会計処理の基本となる主計簿の登記業務を行っていました。

これらの所掌事務からもわかるように、主計局決算課は、国の財政運営において、非常に重要な役割を果たしていました。決算業務を通じて、国の財政状況を正確に把握し、健全な財政運営に貢献していました。

まとめ

主計局決算課は、戦前の大蔵省において、決算業務を専門とする重要な部署でした。その設立は、当時の財政行政の拡大と複雑化に対応するための必然的な措置であり、所掌事務からもわかるように、国の財政運営に不可欠な役割を担っていました。この課の存在は、戦前の日本の財政制度を理解する上で、重要な要素の一つと言えるでしょう。

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