乃村工藝社本社ビル

乃村工藝社本社ビル：デザインと機能性の融合

東京都港区台場、ゆりかもめのお台場海浜公園駅前に建つ乃村工藝社本社ビルは、単なるオフィスビルを超えた、洗練されたデザインと工夫に満ちた空間です。

外観：洗練されたガラスカーテンウォール

建物の外観は、正方形の細い格子の入ったガラスカーテンウォールが印象的です。その内側には非対称に配置された白いブレースが視覚的なアクセントとなり、スタイリッシュな印象を与えています。この非対称なブレースの配置は、眺望の確保や低層部エントランスのピロティ通路への配慮、そして構造上の必要性に基づいた設計の結果です。強度上不要なブレースを排除することで、開放感と美しさを両立させています。

内装：旧本社の理念を受け継ぐ空間設計

2008年の移転以前、乃村工藝社の本社は港区芝浦にありました。旧本社ビルは、社員から高い評価を得ていたため、新本社ビルでもその優れた点を継承しています。例えば、エントランスホールの内階段や、地下1階のスタジオの配置は、旧本社の設計思想を踏襲しています。旧本社では、室内の窓から2mの位置に柱があり、その外側は打ち合わせスペースとして利用されていました。この発想を元に、新本社ビルでは、各フロアをワンルームとして使用し、ミーティングスペースとワークスペースの間に間仕切りを設けていません。2層吹き抜けのミーティングスペースと内階段は、上下階の社員間の交流を促進する設計となっています。旧本社では片側に集約されていた給湯室などの共用設備も、新本社ビルでは分散配置され、社員同士が自然と出会う機会を増やし、コミュニケーションを促進する工夫が凝らされています。屋上には芝生を植えたルーフガーデンと、それを最上階と繋ぐスロープガーデンがあり、緑豊かな休憩空間を提供しています。

空間デザイン：創造性を刺激する工夫

旧本社で好評だった、窓から2mの位置に柱を配置し、その外側を打ち合わせスペースとして利用するアイデアは、新ビルでも見られます。ミーティングスペースとワークスペースの間仕切りをなくすことで、開放的でフレキシブルなワークスタイルを支援しています。また、共用設備の分散配置は、社員間のコミュニケーションを促進し、新たなアイデアが生まれるきっかけとなるよう意図されています。これらの設計は、社員の創造性を刺激し、活発な情報交換を促す効果が期待できます。

受賞歴：グッドデザイン賞

乃村工藝社本社ビルは、その優れたデザインと機能性から、2008年度グッドデザイン賞を受賞しています。これは、建築デザインにおける高い評価を示すものであり、建築デザインにおける革新性と、社員の快適性、そして創造性を重視した設計思想の高さが認められた証といえるでしょう。

まとめ：未来志向のオフィス空間

乃村工藝社本社ビルは、単なるオフィス空間を超え、社員の創造性を育み、活気あるコミュニケーションを促進する、未来志向のワークプレイスです。旧本社の良い点を継承しつつ、現代的なデザインと機能性を融合させた、完成度の高い建築と言えるでしょう。そのデザイン性と機能性の高さは、グッドデザイン賞受賞という栄誉にも表れています。 今後も、多くの企業にとって、理想的なオフィス空間のモデルケースとして注目を集めることでしょう。

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