久保健一郎

久保健一郎

久保健一郎（くぼ けんいちろう、1962年 - ）は、日本の日本史学者。特に戦国時代史を専門とし、早稲田大学文学学術院教授を務める。

略歴

北海道網走市に生まれ、1985年に早稲田大学第一文学部を卒業。その後、同大学大学院文学研究科博士後期課程に進み、1993年に単位取得退学。早稲田大学文学部の助手、助教授を経て、2007年に文学学術院准教授、教授に就任。

2001年には、「戦国大名における公儀の研究」で文学博士号を取得。長年にわたり、戦国時代史の研究に尽力している。

研究内容

久保健一郎の研究は、戦国大名と公儀の関係に着目し、政治史、経済史、軍事史など、多角的な視点から戦国時代の実態を解明しようとするものである。従来の戦国時代研究においては、個々の大名の興亡や合戦の経緯に焦点が当てられることが多かったが、久保は、戦国大名が中央政権である公儀（朝廷や幕府）とどのように関わり、その権威を利用しようとしたのか、また、戦国大名が領国を統治するためにどのような政策を実施したのか、といった問題に関心を寄せている。

特に、戦国大名の経済政策については、兵粮の調達や流通、貨幣経済の浸透など、具体的な史料に基づいて分析を進めており、戦国時代の経済構造の実態を明らかにする上で大きな貢献を果たしている。また、戦国時代の戦争についても、単なる武力衝突としてではなく、経済的な側面や社会的な側面を含めて総合的に考察することで、新たな視点を提示している。

著書

『戦国大名と公儀』校倉書房 歴史科学叢書 2001
『戦国時代戦争経済論』校倉書房 歴史科学叢書 2015
『戦国大名の兵粮事情』吉川弘文館・歴史文化ライブラリー、2015年
『中近世移行期の公儀と武家権力』同成社中世史選書、2017
* 『享徳の乱と戦国時代』列島の戦国史1、吉川弘文館、2020

これらの著書は、戦国時代史研究における重要な成果として高く評価されており、多くの研究者や学生に読まれている。

業績

久保健一郎は、戦国時代史研究の発展に大きく貢献した研究者の一人であり、その業績は学界内外で高く評価されている。今後の研究活動にも期待が寄せられている。

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