久城育夫

久城育夫の略歴と業績

久城 育夫（くしろ いくお、1934年3月30日生まれ）は、日本における著名な地球科学者であり、特に岩石学において高く評価されています。彼は東京大学で学問を深め、1962年には理学博士の学位を取得しました。学位論文のテーマは「温海粗粒玄武岩の岩石学的研究」であり、この研究をもとに岩石・鉱物の形成過程についての理解を深めました。また、彼は東京大学名誉教授であり、日本学士院の会員でもあります。

久城は、教育者としても名を馳せ、東京大学理学部で助[[教授]]や教授を務めたほか、学部長、副学長としても活動しました。さらに、岡山大学へ移り、同大学の地球内部研究センターセンター長を務め、海洋科学技術センターの固体地球統合フロンティア研究システムシステム長としてもその職責を全うしました。

生い立ち

久城は大阪府に生まれ、1952年に東京教育大学附属中学校・高等学校を卒業しました。在学中には特別科学学級に在籍し、数学や理科の基礎を確立しました。1957年には東京大学理学部地質学科を卒業し、理学士の学位を取得します。その後、1959年には理学修士の学位、1962年には東京大学大学院地質学専攻の博士課程を修了しました。その際、「Petrology of Atumi dolerite」をテーマにした研究が評価され、博士号を取得しました。

地球科学者としての活動

彼の業績も多岐にわたります。東京大学で教授として在職の間、岩石学の実験的研究を通じて、造岩物質の理解を深化させ、特にマグマの研究に寄与しました。その成果は1982年に日本学士院賞として認められました。

さらに、久城は学界での貢献が評価され、1993年からは日本学士院の会員としてその活動を続けています。特に、彼の研究により新たに発見された鉱物「久城石」（Kushiroite）は、南極で採取された隕石の中に見つかり、彼の業績を称えたものです。

受賞歴

彼の多くの受賞歴は、地科学の発展における貢献を物語っています。主な受賞には、1982年の日本学士院賞、1988年の日本地質学会賞、1999年のアーサー・ホームズメダル、ハリー・ヘスメダル、ロブリングメダルなどがあり、これらの受賞は国際的な地学界でも彼の名声を高める要因となっています。また、2001年にはゴールドシュミットメダルを受賞し、2003年にはウォラストンメダルを授与されています。彼の仕事は、様々な国際的な表彰にもつながっており、2004年には渡邉萬次郎賞を受賞しています。

著書

久城は多数の著書も執筆しており、いくつかの書籍は共著となっています。主な著作としては、「岩石学I - 偏光顕微鏡と造岩鉱物」、「岩石学II - 岩石の性質と分類」、「岩石学III - 岩石の成因」などがあり、科学界にも大きな影響を与えています。これらの業績を通じて、久城育夫は地球科学の分野での先駆者として名を馳せていることは間違いありません。

結論

久城育夫は、日本の地球科学者としての地位を確立し、これまでの研究や教育において多大な貢献を果たしてきました。彼の業績に対する評価は高く、その影響は今後の世代に渡って続いていくでしょう。

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