久米惣七

久米惣七（くめ そうしち）は、徳島県の豊かな文化風土が生んだ、多才な郷土史家です。彼は、歴史学、人形研究、ジャーナリズムといった幅広い分野で才能を発揮し、その名を刻みました。

中でも、久米惣七が情熱を注いだのは、人形浄瑠璃「阿波人形芝居」の研究でした。阿波人形芝居は、徳島県に根付く伝統芸能であり、その歴史と文化を深く掘り下げた久米惣七の研究は、この分野における第一人者としての評価を確立しました。

彼の研究は、阿波人形芝居の歴史的変遷、人形の構造、演者の技術、そして地域社会との関わりなど、多岐にわたります。これらの研究を通じて、阿波人形芝居の魅力を広く伝え、その保存と継承に大きく貢献しました。

久米惣七の功績は、学術的な価値だけでなく、地域文化の振興にも寄与するものでした。彼の活動は、徳島県民の誇りとなり、1992年には徳島県文化賞を受賞しました。

彼は数多くの著作も残しており、以下はその一部です。

『阿波の浄るり人形 人形のできるまで』
『祖谷の神代踊』
『阿波の面劇 ただ一人残る岩佐伊平芸談』
『阿波の駄菓子 貴重な職人まだ健在』
『阿波の人形師』
『阿波と淡路の人形芝居』
『人形師天狗屋久吉芸談』
『阿波の人形師と人形芝居総覧』

これらの著作は、阿波の文化や芸能に関する貴重な資料であり、現在も多くの研究者や愛好家によって参照されています。

久米惣七は、郷土史家、研究家としてだけでなく、地域文化の伝承者としても、その生涯を捧げました。彼の情熱と努力は、阿波人形芝居をはじめとする徳島県の文化遺産を未来へと繋ぐ、かけがえのない貢献となっています。

関連事項

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阿波国

外部リンク

* 阿波の人形師 （徳島市民双書）の資料詳細｜ 徳島市立図書館

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