久米是志

久米 是志について

久米是志（くめ ただし）は、1932年1月2日に兵庫県で生まれ、2022年9月11日に90歳で亡くなった日本の著名な実業家であり、自動車エンジニアです。彼は特に本田技研工業における経歴で知られ、1983年から1990年まで同社の代表取締役社長を務めました。

学歴と初期の活動

久米は静岡大学工学部機械工学科を卒業後、本田技研工業に入社しました。専門分野はエンジン設計であり、マン島TTレースのための競技車両用エンジンや、ホンダの最初の空冷エンジンカーとなるRA302の開発に尽力しました。若い頃には、本田宗一郎に対して水冷エンジンの採用を強く主張し、開発の過程で辞表を提出したこともある逸話があります。彼の情熱と確固たる信念は、ホンダ1300やRA302の設計において重要な役割を果たしました。

主要な業績

久米が関わったプロジェクトの中で、初代シビックの開発が特に顕著です。シビックの開発責任者（LPL）として、彼は車両のコンセプト作りに貢献し、1973年に自身が設計したCVCCエンジンを搭載した車両が、アメリカの厳しい排出ガス規制であるマスキー法を初めてクリアすることに成功しました。これにより、ホンダは環境対策にも先駆的な企業としての地位を確立しました。

1983年、河島喜好の後を受けて本田技研工業の第3代社長に就任し、再びホンダF1活動の推進に寄与しました。彼の在任中には「和光基礎技術研究センター」を設立し、二足歩行ロボットASIMOの開発やHondaJetと呼ばれるビジネスジェットの事業にも不可欠な貢献をしました。

略歴

久米の略歴を振り返ると、彼は長い実業経験を持つことがわかります。1954年に静岡大学を卒業し、同年に本田技研工業に入社。その後、約40年にわたり数々の役職を歴任しました。1977年には本田技術研究所の社長に就任し、その後も専務取締役や取締役相談役といった要職を歴任しました。

特に、1985年に受賞した紫綬褒章や2009年に受章した旭日重光章など、多くの栄誉も彼の業績を裏付けています。2004年には日本自動車殿堂にも殿堂入りし、その功績は今でも語り継がれています。

著作

彼はまた、『「無分別」のすすめ』や『「ひらめき」の設計図』などの著作を残しており、技術や創造性についての洞察を示しています。

最後に

久米是志は、彼の人生と業績を通じて自動車業界に計り知れない影響を与えた存在です。彼の取り組みは、現代の自動車工業が持つ技術的な進化に寄与し続けており、今後もその遺産は長く残ることでしょう。

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