久美京子

久美 京子（くみ きょうこ）

久美京子は、1912年11月13日に大阪で生まれ、日本の女優として広く知られています。彼女は宝塚歌劇団の花組に所属し、主演娘役として多くの舞台で魅力的なパフォーマンスを展開しました。宝塚劇団を卒業後も、彼女は女優として活動を続け、特に昭和期の日本文化において重要な存在でした。

名前の由来と経歴

もともとは久邇京子（くに きょうこ）という名前で活動していましたが、皇族に由来する「久邇」の文字が使用できないという懸念から、現在の「久美京子」という名前に改名されました。名前には「幾久しく美しくあれ」という意味が込められています。本名は萩原貞子（はぎわら さだこ）であり、愛称はその名前から取られた「サァちゃん」と呼ばれていました。

彼女は1930年に大阪府立市岡高等女学校を卒業後、宝塚音楽歌劇学校に入学しました。宝塚少女歌劇団の20期生として、当時の有名なタカラジェンヌと同じ時期に舞台芸術の道を歩み始めます。1931年の4月、初舞台を迎え、以後はその華やかさで観客を魅了していきました。

主な舞台経歴

久美京子は、特に白井鐡造によるレビュー作品で重要な役割を果たしました。彼女は『パリゼット』(1932年)、『花詩集』(1933年)、そして『ウイナーメーデル』(1934年)など数々の名作に出演し、各々で印象的な演技を披露しました。特に『花詩集』では、珍しい日本の題名が付けられ、広く評価されました。この作品は、菊の花をテーマにしたレビューで、彼女が演じたアンナの楚々とした役どころは、とても人気を博しました。

1938年には初のヨーロッパ公演に参加し、名声を国際的にも広げました。この旅は、神戸港から始まり、数ヶ月にわたり、ヨーロッパ各地を巡るものでした。彼女は魅力的な存在として、多くの観客の心をつかみました。

退団とその後の活動

1940年、結婚のために宝塚歌劇団を退団しました。結婚後は南米チリに渡りましたが、帰国後は女優として活動を再開し、テレビドラマにも出演しました。特に『村田英雄の花と龍』は彼女の知名度をさらに広げることとなりました。

久美京子は1980年にこの世を去りましたが、2014年には『宝塚歌劇の殿堂』に名を刻むことになり、彼女の功績は今も語り継がれています。

人物像

彼女は学生時代には水泳に秀でており、国体選抜のクラスに属する選手でした。その後、教員を目指す時期もありましたが、宝塚音楽学校の華やかな世界に心を奪われ、夢を追い求めることにしました。久美京子の生涯は、華やかな舞台での成功のみならず、彼女自身の情熱と努力の賜物であると言えるでしょう。彼女の存在は、今も多くの人々に愛され続けています。

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