九四式対空二号無線機

九四式対空二号無線機について

九四式対空二号無線機は、大日本帝国陸軍によって開発された対空用の通信機器です。この無線機は、主に600kmという広範囲にわたる通信能力を持ち、戦時の対空通信に大いに貢献しました。全体として840kgの重量を持ち、輸送は三九式輜重車丙4輌もしくは自動貨車1輌を使用して行います。

開発の背景と経過

昭和6年度から審査が始まり、当初は短波を用いた対中距離用の無線通信を想定していました。目標となる電信通信距離は150kmと設定されており、昭和7年度においても審査要件の変更はありませんでしたが、時に応じた通信能力の向上が求められました。
2000年代は進展が見られ、最終的には電話機能が追加され、通信距離70kmでの対空電話通信の適合性が確認されました。この成功を基に、さらなる研究と試作が続けられました。研究の方向性としては、主に短波を使用し、通信機の性能を向上させることが中心に据えられていました。

昭和9年1月には、満州北部での冬期試験が行われました。この試験では、極寒での運用が難しいことが判明し、保温法の導入や、耐寒乾電池の使用が必要であると示されました。また、同年7月には航空連合演習において通信が行われ、その結果所期の性能が確認されました。さらに、同月の満州北部での雨期炎熱試験では、気温による通信能力の影響は見られませんでした。

昭和10年に入ると、下志津陸軍飛行学校と大刀洗飛行第四連隊との間で通信試験を行い、そこでの性能発揮も見られるようになりました。そして3月には短期での製造が可能であることが確認され、11月時点では陸軍航空本部から仮制式制定の承認を得るに至りました。12月には正式に上申も行われました。

機能と構成

九四式対空二号無線機は、以下のような主要な構成要素から成り立っています:

• - 通信機
• - 発電装置
• - 空中線材料
• - 各種付属品や備品

通信機

この無線機は、送信装置と受信装置で構成されています。送信装置は水晶制御または主発振を用い、950から7,500キロサイクル毎秒の範囲で電信と電話送信が行えます。受信装置は九四式対空一号無線機と同様の設計となっています。

発電装置

発電部分には、竪型空冷式単気筒二行程の発動機が使用され、出力は約5馬力です。また、直流発電機は高圧1.1kw、低圧192wの出力を持ち、電力の配給や電流電圧制御を行うための配電盤も組み込まれています。

空中線材料

空中線の構成は、高さ約12mの電柱2本と25mのワイヤーによって形成され、通信を確立します。さらに、地面にも同様のワイヤーを用いた地線が設置されています。

このように、九四式対空二号無線機は、大日本帝国陸軍の航空通信能力を大幅に向上させる重要な役割を果たしました。

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