九州さが大衆文学賞

九州さが大衆文学賞は、九州電力、佐賀銀行、ミサワホーム佐賀、佐賀新聞社が主催し、佐賀県・佐賀市が後援する短編小説の公募新人文学賞でした。ジャンルは推理小説、歴史小説、時代小説と幅広く、多くの作家に門戸を開いていました。

この文学賞は、晩年を佐賀で過ごした推理作家、笹沢左保氏の提唱によって1993年に創設されました。笹沢氏は日本の推理小説界に多大な功績を残した人物であり、その精神を受け継ぐ文学賞として、多くの作家を励まし、支援してきました。2002年10月に笹沢氏が逝去して以降は、その功績を記念し、大賞は笹沢左保賞と改称されました。

応募作品は未発表の短編小説に限られ、推理小説は400字詰め原稿用紙換算90枚以内、歴史・時代小説は400字詰め原稿用紙換算70枚以内と規定されていました。大賞（笹沢左保賞）受賞者には賞金100万円、佳作には賞金10万円、佐賀県内優秀作には奨励賞として賞金5万円と盾が贈られました。

この文学賞からは、後に著名な賞を受賞してデビューする作家が数多く輩出されました。永井するみ氏、山本甲士氏、海月ルイ氏、植松三十里氏、梶よう子氏、今村翔吾氏など、枚挙にいとまがありません。これらの作家たちは、九州さが大衆文学賞を受賞したことをきっかけに、その才能を開花させ、文学界で活躍しています。

選考委員は、笹沢左保氏、森村誠一氏、夏樹静子氏、北方謙三氏、林真理子氏といった、日本を代表する作家たちが務めました。彼らの厳正な審査によって、数々の優れた作品が選ばれ、世に送り出されました。

大賞作品は佐賀新聞および『小説NON』（祥伝社）に掲載され、最近の大賞受賞作は九州さが大衆文学賞の公式サイト上でも読むことができました。

2016年の第24回をもって、九州さが大衆文学賞は幕を閉じました。しかし、この文学賞が日本の文学界に与えた影響は大きく、多くの作家の才能を開花させ、新たな作品を生み出す原動力となりました。その功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

歴代の受賞者
1996年 第3回大賞 永井するみ
1996年 第3回奨励賞 山本甲士
1998年 第5回大賞 海月ルイ
2000年 第7回佳作 緑川聖司
2002年 第9回佳作 植松三十里
2005年 第12回大賞 梶よう子
* 2016年 第23回大賞 今村翔吾

これらの受賞者の多くが、後に著名な文学賞を受賞し、作家として大きく飛躍しています。

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