九州大学生体防御医学研究所

九州大学生体防御医学研究所

九州大学生体防御医学研究所は、福岡県福岡市東区に位置し、生体防御機構に関連する疾患の研究と治療法の確立を目指して設立された九州大学の附置研究所です。1982年に温泉治療学研究所と医学部附属癌研究施設が統合され、新たに設立されました。この研究所は、生体が恒常性を維持するための重要な機能である「生体防御」に着目し、特に難治性疾患の発症メカニズムの解明に力を入れています。

設立と沿革

もともと九州大学温泉治療学研究所は、日本初の温泉療法研究施設として1931年に設立されました。温泉療法を通じてリウマチや膠原病などの内科疾患に対する研究が行われていました。この研究所は1982年に九州大学医学部附属癌研究施設と統合され、生体防御医学研究所として生まれ変わりました。この際、温泉治療学研究所附属病院も生体防御医学研究所附属病院に改組され、最終的には九州大学病院別府先進医療センターへの移行とともに別府地区の3分野を廃止しました。

研究の進展と共同研究

2010年度には、共同利用・共同研究拠点として「多階層生体防御システム研究拠点」に指定され、さらに2016年度からは東京医科歯科大学や熊本大学、徳島大学と協力し、「トランスオミクスアプローチによる革新的医学研究」を開始しました。この連携により、九州大学は他の大学との共同研究を通じて、高度な医学研究を推進しています。

また、2023年度からは東京医科歯科大学難治疾患研究所及び徳島大学先端酵素学研究所との協業により、「高深度オミクス医学研究拠点整備事業」を立ち上げています。この取り組みにより、九州大学を中核とした4つの大学が連携し、「高深度オミクスサイエンスセンター」を設立しました。

休日と所属研究部門

生体防御医学研究所は、様々な分野の研究部門を有しており、分子機能制御学部門や細胞機能制御学部門、個体機能制御学部門など、多岐にわたる研究が行なわれています。具体的には、トランススケール構造生命科学、免疫ゲノム生物学、皮膚再生老化学、免疫遺伝学などの専門分野が存在します。

施設と最新の取り組み

研究所の附属機関として、高深度オミクスサイエンスセンターとシステム免疫学統合研究センターがあります。ここでは、ゲノミクスやプロテオミクスなどの多様なオミクス研究が行われており、研究推進ユニットも設置されています。

このように、九州大学生体防御医学研究所は、難治性疾患や生体防御機構に関する高度な研究を進め、他の大学や研究機関との協力を通じて、医学研究と地域医療の発展に寄与しています。

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