九州沖航空戦

九州沖航空戦の概要

九州沖航空戦（きゅうしゅうおきこうくうせん）は、1945年3月18日から21日までの間、日本近海で日本軍とアメリカ軍との間で繰り広げられた激しい空中戦です。これは太平洋戦争のクライマックスに位置づけられ、日本軍にとっては最後の大規模な対抗策の一つとなりました。

背景

1945年3月17日、日本の大本営は硫黄島で起こった戦闘の指揮を執っていた栗林忠道中将から訣別電を受け、組織的な抵抗が終わりを迎えつつあることを認識していました。この頃、日本本土へのアメリカ軍の空襲が激化し、その活動は特に関東地方にまで及びました。日本の大本営は、アメリカ軍が沖縄に上陸する可能性が高まっていると予測していました。

アメリカ軍の攻撃計画

アメリカ海軍は、4月1日の沖縄上陸作戦に先立ち、日本本土に対して機動部隊による攻撃を決行しました。1945年3月初めには、アメリカ海軍の空母部隊が日本のカタ604船団を壊滅させるなど、戦局は厳しさを増していました。このような情勢の中、3月18日には、12隻の空母からなるアメリカ第58任務部隊が約1400機の艦上機を率いて日本近海に進出し、攻撃を開始しました。

戦闘経過

日本軍は宇垣纏海軍中将の指導の下、激しい反撃を開始しました。特に、神風特別攻撃隊や陸軍の航空戦力が活用され、多くの攻撃が行われました。しかし、3月18日の戦闘では、日本軍は特攻機やその他の航空機を含む攻撃部隊全体の約8割にあたる161機を失い、アメリカ軍機には約29機が撃墜されました。

3月19日、アメリカ軍の一部艦上機は日本の主要な港である呉を攻撃し、軽巡洋艦や艦船にダメージを与えました。これに対抗するため、日本軍は全力で反撃に出ました。特に「フランクリン」と「ワスプ」の空母に対しての攻撃は、戦死者を出しつつも大きな成果を上げました。

3月21日、日本軍は「桜花」を使用しての攻撃を行いましたが、出撃した全機が撃墜される結果となりました。この日、日本軍には160名の戦死者が発生しました。

結果と評価

九州沖航空戦の終結後、日本艦隊はアメリカ軍に対して空母5隻、戦艦2隻、巡洋艦3隻を撃沈したと報告しましたが、実際にはアメリカの主力艦艇に大きな損害はありませんでした。それにもかかわらず、戦闘により日本側の航空戦力は大幅に損耗し、即座に反撃する力を失いました。最終的には、アメリカ海軍は戦力を再編成し、沖縄戦に向けた準備を整えました。

九州沖航空戦は、日本の航空戦力の衰退を如実に示し、その後の沖縄戦における苦境へと繋がりました。

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