九段 (囲碁)

九段とは

九段は、囲碁におけるプロ棋士の最高位の段位です。囲碁界における頂点を示す称号として、長きにわたり特別な意味を持ってきました。

歴史

江戸時代において、九段は「名人」と同義であり、囲碁界の頂点に立つただ一人の棋士のみが名乗れる称号でした。これは、九段が単なる段位ではなく、その棋士の卓越した実力を示す象徴であったことを意味します。

しかし、時代が進むにつれて、九段の意味合いは変化しました。特に、藤沢朋斎と呉清源という二人の偉大な棋士が同時に九段となった際には、お互いの優劣を決めるために熾烈な対局が繰り広げられたという歴史もあります。この時代には、九段という称号が非常に重く、その価値がどれほどであったかを物語っています。

現在では、九段は必ずしも「唯一の頂点」を示すものではなく、複数の棋士が九段の段位を持っています。これは、昇段制度の変更や棋士のレベルの向上によるものであり、以前のように九段が唯一絶対の存在ではなくなったことを示しています。むしろ、九段の数が多すぎることが問題視されることもあります。

現在の昇段規定

現在の九段への昇段規定は、以下のようになっています。

公式戦200勝：プロ棋士として公式戦で200勝を達成すること。
三大タイトル獲得：棋聖、名人、本因坊の三大タイトルいずれかを獲得すること。
七大タイトル2期獲得：天元、王座、碁聖、十段の七大タイトルいずれかを2期以上獲得すること。
特定国際棋戦優勝：応昌期杯、三星火災杯、LG杯、春蘭杯、百霊杯、夢百合杯、新奥杯などの国際棋戦で優勝すること。

以前は、大手合という制度によって昇段が行われていました。この制度では、勝ち、負け、持碁によって点数が決まり、以下の条件を満たすことで九段に昇段できました。

22局以上：平均点75点以上
26局以上：平均点70点以上
30局以上：平均点67.5点以上

この大手合による昇段制度は2003年以前に廃止され、現在の昇段規定へと移行しました。

注意点

よく混同されがちですが、「十段」は段位ではなく、タイトル棋戦の名称です。九段の次の段位が十段であるという誤解を避けるように注意が必要です。

九段棋士一覧

（具体的な棋士名は省略します。もし必要であれば、別途ご質問ください。）

備考

関は関西棋院所属棋士（関西総本部所属ではない）
三は三大タイトル獲得経験による昇段
七は七大タイトル2期以上獲得経験による昇段

まとめ

九段は、囲碁における最高位の段位であり、その歴史と変遷は囲碁界の発展と深く関わっています。かつては名人と同義であり、その地位は非常に重いものでしたが、現代では昇段条件を満たせば複数の棋士が九段となることができます。九段という称号は、棋士にとって大きな目標であり、その実力を示す重要な指標の一つと言えるでしょう。

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