乳児死亡率

乳児死亡率とは

乳児死亡率とは、年間出生数1000に対して、生後1年未満に死亡した乳児の数を示す指標です。この数値は、ある地域における保健医療水準や社会経済状況を反映すると考えられており、公衆衛生の分野で重要な指標として用いられます。

計算式

乳児死亡率は以下の計算式で算出されます。


乳児死亡率 ＝ (年間の乳児死亡数 / 年間の出生数) × 1000


例えば、ある年の出生数が10,000人で、その年の乳児死亡数が20人だった場合、乳児死亡率は(20 / 10,000) × 1000 = 2.0 となります。つまり、出生1,000人あたり2人の乳児が1歳未満で亡くなっていることを意味します。

統計

乳児死亡率の統計データは、各国や地域で定期的に収集・公表されています。日本では、厚生労働省が実施する「人口動態統計」がその基礎データとして用いられています。この統計は、出生や死亡に関する情報を網羅的に収集しており、正確な乳児死亡率の把握に不可欠です。

国内の現況

日本の乳児死亡率は、長年にわたる医療技術の進歩や公衆衛生の向上により、世界的に見ても非常に低い水準にあります。しかし、依然として地域差や社会経済的な要因による格差が存在しており、課題となっています。

世界の現況

世界的に見ると、乳児死亡率は発展途上国を中心に依然として高い水準にあります。貧困、栄養不良、感染症、医療サービスの不足などが主な原因として挙げられます。国際連合（UN）などの国際機関は、乳児死亡率の低下を目標として、様々な支援活動を行っています。

関連指標

乳児死亡率に関連する指標として、以下のものが挙げられます。

周産期死亡率：妊娠満22週以降の死産と生後1週未満の死亡を合わせた指標
新生児死亡率：生後28日未満の死亡の割合を示す指標
早期新生児死亡率：生後1週未満の死亡の割合を示す指標
乳幼児死亡率：生後5年未満の死亡の割合を示す指標
死亡率：ある期間における人口に対する死亡数の割合を示す指標

これらの指標は、乳児死亡率と合わせて、より詳細な健康状態の評価や対策の立案に役立ちます。

脚注

厚生労働省「人口動態統計」

外部リンク

厚生労働統計一覧
政府統計の総合窓口(e-Stat)

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