乾久美子

乾 久美子（いぬい くみこ）

乾久美子は、1969年生まれの日本の建築家です。彼女は独自のスタイルで、多くの注目すべきプロジェクトを手がけており、乾久美子建築設計事務所の主宰者でもあります。また、横浜国立大学大学院の教授としても活動しています。

経歴

彼女は、大阪府の大阪市北区に生まれ育ち、親和中学校および親和女子高等学校を卒業しました。1992年には東京藝大の美術学部建築科を卒業し、続いて1996年にイェール建築学校の修士課程を修了しています。修了後、青木淳建築計画事務所に入所し、2000年には自身の設計事務所を設立しました。

乾は、東京藝術大学にて助手を経験した後、昭和女子大学、東京大学などで非常勤講師を務めています。2011年から2016年にかけては東京藝術大学の准教授を務め、以降は横浜国立大学大学院の教授として活躍しています。また彼女は、長谷工住まいのデザインコンペティションやTEPCOインターカレッジデザイン選手権の審査員を経験し、建築界への影響を広げています。

主な作品

乾久美子の建築作品は多岐にわたります。特に印象的な作品には、以下のようなものがあります。

• - 片岡台幼稚園の改装（2002年、奈良県）
• - ルイ・ヴィトン高知店（2003年、高知県）
• - ディオール銀座（2004年、東京都）
• - 共愛学園前橋国際大学4号館（2011年、群馬県）
• - みずのき美術館（2012年、京都府）

これらの作品は、彼女のデザイン哲学や技術力を象徴しています。特に、彼女の作品は周囲の環境と調和するよう配慮され、訪れる人々に新たな体験を提供しています。

受賞歴

乾久美子は、数々の権威ある賞を受賞しています。特に注目すべきは、2012年にはヴェネツィア・ビエンナーレ第13回国際建築展での金獅子賞を獲得したことです。この受賞は、彼女の国際的な評価をさらに高めました。また、2006年のArchitectural Record Design Vanguardや、2008年の新建築賞、2020年の日本建築学会賞（作品）なども受賞歴に含まれています。

著書

乾は、多くの著書を著しており、建築に対する彼女の思想や設計原則を広めています。特に「浅草のうち」（平凡社、2011年）や「まちへのラブレター」（共著、学芸出版社、2012年）などが代表的です。

最後に

乾久美子は、建築界において独自の立場を築いてきた建築家です。彼女の作品や学問的な活動は、多くの人々に影響を与え続けています。今後のさらなる活躍が期待される建築家の一人です。

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