乾亨 (遼)

乾亨（けんこう）

乾亨は、遼の第4代皇帝である景宗耶律明扆（やりつ めいい）の治世で使用された元号です。979年から982年までの短い期間に使用されました。

乾亨年間の主な出来事

979年（乾亨元年）：
宋の中国統一: この年、宋（北宋）が中国の統一をほぼ完成させました。これにより、五代十国時代と呼ばれた分裂の時代が終わりを迎えました。しかし、遼との間には依然として緊張関係が残っていました。
高梁河の戦い: 宋の太宗（趙匡義）は、勢いに乗じて遼の支配下にあった燕雲十六州の奪還を目指し、親征を行いました。しかし、高梁河（現在の北京付近）での戦いにおいて、遼軍に大敗を喫しました。この戦いでの勝利により、遼は宋に対する優位を確立し、その後も両国の間で国境紛争が頻発することになります。

西暦との対照表

乾亨	西暦
-	-
元年	979年
2年	980年
3年	981年
4年	982年

乾亨という元号について

「乾亨」という元号は、易経に由来すると考えられます。「乾」は天を意味し、創造や開始を象徴します。「亨」は物事が順調に進むことを意味し、発展や成功を表します。この元号には、遼の国が天の助けを得て発展し、繁栄することを願う景宗の思いが込められていたのかもしれません。

しかし、高梁河の戦いで宋軍を破ったものの、景宗の治世は決して安泰だったわけではありません。彼自身も病弱であり、政治は皇后である睿知蕭皇后（後の承天太后）に委ねられることが多く、彼女の権勢が強まるきっかけとなりました。景宗の崩御後、彼女は幼い聖宗を擁立し、国政を掌握することになります。

関連項目

元号一覧 (中国)
遼
景宗耶律明扆
睿知蕭皇后
高梁河の戦い

他王朝の乾亨

遼の乾亨以外に、他の王朝でも「乾亨」という元号が使用された例はないようです。

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