乾杯!トークそんぐ

乾杯!トークそんぐについて

『乾杯!トークそんぐ』は、1989年から2000年まで放送された毎日放送（MBSテレビ）制作の歌謡番組です。この番組は554回にわたって放送されたもので、日本の演歌界の名歌手たちがゲストとして出演し、酒を酌み交わしながら音楽とトークを繰り広げる独自のスタイルが大変人気を博しました。

番組のコンセプト

番組は「カラオケのステージがある寿司屋」に訪れる演歌歌手が、司会の野村啓司と一緒にお酒を飲みながら和やかにトークを交わすという設定で放送されていました。野村はアナウンサーとしてのキャリアを持ちながら、初代の「ママ」は西川峰子が担当し、後に中村美律子が引き継いでいます。

収録は吹田市のMBSセンターで始まり、その後の本社移転に伴い、新社屋内にあるスタジオに移されました。スタジオでは、寿司屋のカウンター風のセットとカラオケスタジオ風のステージが用意され、料理人がリアルな料理を披露するという特徴もありました。これにより、視聴者は家庭でも楽しめる本格的な食と音楽の融合が実現されていました。

この番組の大きな魅力は、毎回のゲストが自身の楽曲だけでなく、他の歌手の楽曲も披露する点にありました。初回の放送では村田英雄が三波春夫の曲を歌い、以降も多数の有名な演歌歌手が出演しました。視聴者から寄せられたリクエスト曲を紹介するコーナー「思い出に乾杯」も設けられ、寄せられたハガキの内容を野村が代読し、感動的なエピソードを通じてゲストが歌唱する姿が人気を呼んでいました。特に、感情移入した歌手が涙ながらに歌う姿が印象的でした。

番組の変遷と影響

2000年に番組は終了しましたが、その約12年の放送期間の間には、数々の広がりを見せていました。2004年と2007年には、番組タイトルを冠したステージイベントが開催され、その様子が後日にダイジェストとして放送されたこともあり、多くのファンに愛されていました。また、2018年には過去の放送分がBS12トゥエルビで再放送され、また同年、MBSの『発掘!アーカイブ探検隊』で当時の名場面が紹介されるなど、新たな注目と懐かしさを呼び起こしました。

出演者には、演歌界の巨星である坂本冬美や小林幸子らが名を連ね、高頻度で出演した坂本は「この番組は貴重な存在」とのコメントを残しています。中村美律子も、初めての紅白歌合戦直後に呼ばれたことへの喜びを語るなど、各出演者の思い入れが強かったことも伺えます。

最後に

「乾杯!トークそんぐ」は、演歌や歌謡曲が盛りだくさんの楽しい一時を提供し、音楽と人とのつながりを大切にしていました。美しい歌声と心温まるエピソードは、今も多くの人に愛され続けています。

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