乾絵美

乾絵美の軌跡

乾絵美（いぬい えみ）は1983年10月26日に兵庫県加古川市で生まれた、元女子ソフトボール日本代表選手です。彼女は捕手として活躍し、オリンピックにも出場した輝かしい経歴を持ちます。現役引退後は2020年からオリックス・バファローズにて女性として初めてのスカウトとして活動しています。

経歴の始まり

乾は神戸常盤女子高等学校を卒業後、東海学園大学へ入学しましたが、家庭の事情により19歳で中退を余儀なくされます。その後、日本女子ソフトボール界の強豪として知られるルネサステクノロジ高崎（ルネサス高崎）に入部することを決断しました。彼女が入部した理由は、同チームに強打の投手である上野由岐子がいて、強力なバッテリーを組むことでチームに貢献したいという思いがありました。

乾はルネサス高崎で出場した日本女子ソフトボールリーグで、新人として上野とバッテリーを組むと、瞬く間にその技術が評価されました。そして、2004年アテネオリンピックに日本代表として出場し、控え捕手として銅メダルを獲得します。その後、2008年の北京オリンピックには正捕手として上野とのバッテリーで出場し、金メダルに輝くという偉業を成し遂げました。

国内三冠の達成

北京オリンピック後、乾は日本政府から紫綬褒章を授与され、ルネサス高崎でも主将としてチームを国内三冠に導くことに成功しました。彼女は、最初は現役引退を決意していたものの、チームからの慰留により翌年も現役を続けることになります。「自分のためではなく、チームのためにプレーをやり切ろう」との思いで、再度挑戦し続けました。最終的には引退後も、チームの栄光に貢献し続けました。

現役引退とオリックス・バファローズ

引退後、乾はオリックス・バファローズで小学生向けの野球教室の運営を始めることになります。ここで、野球やソフトボールの経験を持つ女性スタッフを探していたことがきっかけで、彼女がオリックスに採用されました。2010年からはオリックスの地域振興部で活動し、若い選手たちの指導にあたりました。

2020年からは、オリックス・バファローズのアマチュアスカウトに就任し、関西地区や静岡県を担当。スカウトとしての視点で選手を観察し、選手の姿勢や試合中の立ち振る舞いを重視しました。2022年からは中国・四国地区を担当し、2024年シーズンには新たな育成選手契約を結ぶなど、着実にスカウト活動を広げています。

まとめ

乾絵美は、その卓越したキャリアと後進の指導における情熱によって、ソフトボール界における重要な存在となりました。彼女の挑戦は、女性のスポーツ界においても大きな影響を与えています。彼女が今後どのような活動をしていくのか、目が離せません。

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