亀岡大郎

亀岡 大郎（かめおか たろう、1926年 - 2019年6月28日）は、実業界、経済評論、ジャーナリズムの分野で活躍した日本の人物です。大正15年（1926年）に日本統治下の朝鮮、京城（現在のソウル）で生まれ、93歳でその生涯を閉じました。

近畿大学を中退後、亀岡は1947年に広島新聞社に入り、記者としての道を歩み始めました。社会部の担当を経て、1949年には野田経済研究所に移籍し、経済分野の取材に携わります。1952年からは大阪の夕刊紙、新大阪新聞社に籍を置き、ここでも当初は社会部の記者でしたが、後に証券や財界といった経済関連の取材を担当するようになります。同紙の経済部長を務める傍ら、1957年からは「北浜太郎」というペンネームで「アスの投資戦術」と題した株式投資に関するコラムを連載し、注目を集めました。

新聞社でのキャリアを経て、彼は経済評論家へと転身します。文藝春秋、週刊文春、週刊現代、サンデー毎日、週刊読売、週刊サンケイ、週刊ポストなど、多くの主要な雑誌や、全国各地の新聞に経済関連の記事や分析を寄稿し、その専門知識と鋭い視点を示しました。

1974年、亀岡は自身の名前を冠した「亀岡大郎取材班」を設立し、代表に就任します。設立当初、この組織は通信社のように、新聞や雑誌向けに多数の経済記事を提供する記者集団として機能していました。しかし、事業は発展し、所属記者を独立させて個々の専門分野に特化した媒体を運営する、いわゆる分社化経営に移行。これにより、多様な業界の専門紙を発行する独自の企業集団「亀岡大郎取材班グループ」が形成されました。2019年の時点で、このグループは12社の企業によって構成されています。

「亀岡大郎取材班グループ」は、賃貸住宅、ビル経営、リフォーム、ブライダル、流通など、特定の業界に特化した専門メディアを展開しています。これらの媒体を通じて、各分野の専門情報や動向を読者に提供し、それぞれの業界の活性化に寄与しています。

グループが手掛ける主な刊行物には、以下のようなものがあります。

全国賃貸住宅新聞
家主と地主
高齢者住宅新聞
週刊ビル経営
不動産ソリューション
マンション管理新聞
ブライダル産業新聞
国際ホテル旅館
リフォーム産業新聞
工務店新聞
リサイクル通信
株主手帳
日本ネット経済新聞
日本流通産業新聞
ネットワークビジネス
国際イベントニュース

また、亀岡大郎自身も多作な作家であり、経済やビジネスに関する多くの書籍を執筆しました。彼の著作は、株式投資、経営戦略、産業動向など、幅広いテーマを扱い、当時の経済社会に対する深い洞察を反映しています。以下に代表的な著作の一部を挙げます。

『株の秘密 : 新しい株式教科書』
『重役 : 日本のトップマネージャー』
『サラリーマン恐怖時代』
『株の操縦者 : 株価の秘密を解く』
『三菱対住友 : 日本経済の主導権争い』
『これがエコノミック・アニマルだ』
『セックス産業 : 2兆円の欲望を開発する レジャー時代の成長ビジネス』
『ヤクルト・ダスキン急成長の秘密』
『儲けの鉄則を破って儲ける : 人の逆を行く商法』
『IBMの人事管理』

亀岡の指導のもと学んだ弟子の中には、著名な経済評論家である荻原博子氏や、ジャーナリストの千葉明氏などがいます。長年にわたり経済ジャーナリズムとメディア事業の分野で精力的に活動した後、2019年6月28日、老衰により93歳で逝去しました。彼の築き上げたメディアグループと、経済界への貢献は、今日でも評価されています。

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