亀田町 (秋田県)

かつて秋田県由利郡の北部に位置していた亀田町（かめだまち）は、1955年（昭和30年）まで存在した自治体です。その領域は、現在の由利本荘市岩城地域の一部、具体的には岩城亀田亀田町、岩城亀田愛宕町、岩城亀田大町、岩城亀田最上町に加え、岩城赤平、岩城泉田、岩城上黒川、岩城下黒川、岩城滝俣、岩城冨田、岩城福俣、岩城上蛇田、岩城下蛇田、岩城六呂田といった広い範囲に及びます。

歴史的背景

亀田町は、古くから由緒ある土地でした。特に、元和9年（1623年）以降は、岩城氏が治める亀田藩の城下町として発展し、地域の政治経済の中心地としての役割を果たしました。

沿革

近代に入り、行政区画の再編が進む中で亀田町もその形を変えていきました。

1875年（明治8年）8月13日: 亀田城下にあった30の町が合併し、新たに「亀田町」として発足しました。
1881年（明治14年）: この亀田町はさらに再編され、亀田亀田町、亀田愛宕町、亀田大町、亀田最上町の四つの町に分けられました。
1889年（明治22年）4月1日: 町村制の施行に伴い、前述の四つの町と、赤平村、泉田村、上黒川村、下黒川村、滝俣村、冨田村、福俣村、上蛇田村、下蛇田村、六呂田村の十の村が合併し、改めて新たな「亀田町」が誕生しました。これは、周辺の農村部を取り込んだ広域自治体としての出発でした。
1917年（大正6年）4月10日: 隣接する松ヶ崎村との間で境界の一部変更が行われました。
* 1955年（昭和30年）7月28日: 昭和の大合併の流れの中で、亀田町は道川村と合併し、岩城町となりました。これにより、自治体としての亀田町はその歴史に幕を下ろしました。

地域と社会

自治体としての亀田町には、地域住民の生活を支える様々な施設が存在しました。行政を担う首長（歴代町長）が置かれ、教育面では亀田町立亀田小学校と亀田町立亀田中学校が設置されていました。

交通に関しては、現在、旧町域内にはJR羽越本線の折渡駅が存在しますが、これは亀田町が存在していた当時はまだ開業していませんでした。「折渡信号場」として設置されたのは、亀田町が廃止され岩城町となった後の1957年（昭和32年）のことです。なお、1920年に開業した羽越本線の羽後亀田駅は、旧亀田町の区域外に位置していました。

この地域からは、宮内官僚として活躍した中田直慈のような著名人も輩出されています。

亀田町の詳細な歴史については、『岩城町史』（秋田県由利郡岩城町、1996年発行）などの参考文献に詳しい記述が見られます。かつて秋田県の自治体として存在した亀田町は、岩城氏の城下町としての歴史を経て、現在の由利本荘市岩城地域へと引き継がれています。秋田県の廃止市町村の歴史をたどる上で、重要な一頁を占める存在です。

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