二上達也

二上達也の生涯と功績

二上達也（ふたかみ たつや）氏は、1932年1月2日に北海道函館市に生まれた将棋棋士です。彼は8人兄弟の一番下として育ちましたが、彼の少年時代は波乱万丈なものでした。母の死、兄の戦争での経験、戦後の苦難を経て、二上は将棋に目覚め、やがて将棋の道に進むことになります。

将棋の道への第一歩

中学時代、友人との将棋を通じてその才能を開花させた二上は、1949年にアマ名人戦北海道大会で準優勝を果たします。この結果を受けて、彼は将棋連盟会長である渡辺東一に弟子として受け入れられ、1950年に内弟子として上京しました。

プロ入りからわずか8か月で四段に昇進し、これが奨励会在籍最短記録として今日まで評価されています。1951年からの順位戦では急速に昇進し、1956年にはA級八段となりました。この昇進の速度も、今後の棋士たちにとっての手本となります。

タイトルへの挑戦と大山との戦い

二上がタイトル戦に挑戦する際、彼は日本将棋連盟の巨星、大山康晴との激しい競争を繰り広げました。初のタイトル挑戦は1959年度の九段戦で、彼は大山に敗れましたが、その後も再三タイトルに挑戦しました。ついに1962年度の王将戦で大山を破り、初めてのタイトルを獲得することに成功しました。これは、大山の全冠独占を崩す画期的な瞬間でした。

華やかなキャリアと引退

二上はその後も棋聖戦や王座戦、王将戦に挑み続けましたが、他の棋士たちとの競争も激化し、なかなかタイトルを防衛することができない時期が続きます。しかし、1980年度後期に棋聖を再び手に入れ、無敗での防衛を達成。これは彼にとっての復活を意味し、名誉ある地位を再び確立しました。

1989年に弟子の羽生善治との対局をもって現役を引退することを決め、1990年には正式に棋士としてのキャリアに幕を下ろしました。引退後、彼は日本将棋連盟の会長を1989年から2002年まで務め、棋士たちの未来に向けた改革や国際将棋の普及に尽力しました。

将棋界への貢献

二上の功績は、優れた棋士としての成果だけに留まりません。彼は「相掛かりガッチャン銀戦法」といった独自の戦法を確立し、居飛車攻めを貫くスタイルで知られました。また、詰将棋作家としても広く認識され、数多くの作品を世に送り出しました。将棋ペンクラブの名誉会長として、友情を持った後輩棋士や仲間との絆も大切にしました。

亡くなるまで

2016年11月1日、肺炎により84歳で亡くなった二上達也。彼の生涯は、将棋棋士としてだけでなく、連盟の指導者としての影響力を持ち続け、今日の日本将棋界に大きな足跡を残しました。棋士としての努力と、将棋界への貢献は後世に語り継がれることでしょう。

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