二子塚古墳 (福山市)

二子塚古墳の概要

二子塚古墳（ふたごづかこふん）は、広島県福山市駅家町中島に位置し、形状は前方後円墳です。この古墳は国の史跡に指定されており、歴史的な意義を持つ重要な遺跡です。特に、古墳の後円部に存在する大型の横穴式石室が注目されています。2002年から2005年にかけて行われた発掘調査では、金銅装双龍環頭柄頭など多様な遺物が出土しました。

古墳の形状と構造

この古墳は尾根上にあり、前方部分が西南西を向いています。墳丘の総延長は68メートル、後円部の直径は41メートル、前方部分の幅は30メートルと、規模が大きいことが特徴です。墳丘の裾には狭い周濠が設けられ、全体的に整備されています。また、前方部にも全長12.5メートルの横穴式石室が確認されており、調査からは埴輪や葺石が使用されていないことが分かりました。

2006年には「福山古墳ロード」Aコースに指定され、地元の郷土史団体と福山市の協力により、案内板の設置などが進められました。これにより、古墳の重要性が広まるとともに、地域の文化に対する理解が深まっています。

横穴式石室について

後円部にある横穴式石室は両袖式で、長い玄室と羨道を備えています。玄室のサイズは長さ6.7メートル、幅は2.1メートルから2.6メートル、高さは3.3メートルから3.4メートルと大規模です。羨道の長さは8.1メートルで、幅や高さも十分に確保されています。さらに、羨道の前には石積の長い墓道が設けられています。

石室には自然石が使用され、奥壁には大型の平板が設置されています。また、玄室の前半部には退化した組み合わせ式家形石棺の残骸があり、関連遺物が土中から発見されました。

出土した遺物

多くの貴重な遺物が石室内から見つかりましたが、大部分が攪乱されていました。それでも、金銅双龍環頭柄頭やさまざまな武器、馬具が出土しています。特に、国内では珍しいデザインの金銅双龍環頭柄頭は、向かい合った龍が玉をくわえている形状です。

また、頑丈な土器も発見されており、須恵器の出土量が特に多いことが注目されています。これらの遺物は、当時の技術や文化的背景を示す重要な証拠となっています。

確認された年代

出土した須恵器の型式から、初葬の年代は7世紀第1四半期と考えられています。その後、追葬が行われた可能性もあり、これにより古墳の歴史的な重要性が浮かび上がっています。この古墳は西日本で最後に築造された前方後円墳の一つであり、地域の歴史を知る上で欠かせない遺跡です。

文化財としての位置付け

二子塚古墳は2009年7月23日に国の史跡に指定され、その価値が officially acknowledgedされています。古墳の保存と研究が続けられており、さらに多くの情報が今後も明らかになることが期待されています。

現地を訪れることで、古代の文化や信仰、技術を感じることができ、地域の歴史を肌で感じることができる貴重な体験が可能です。

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