二宮厚美

二宮厚美（にのみや あつみ）

プロフィール

二宮厚美氏は、1947年7月6日生まれの日本の経済学者です。神戸大学発達科学部人間環境科学科社会環境論コースの名誉教授を務めておられました。専門分野は経済学、特に労働と生活問題に関する研究に深く携わっておられます。また、渡辺治氏や後藤道夫氏といった著名な研究者とも親交があり、雑誌『ポリティーク』の編集者の一人としても活動されていました。

来歴

二宮氏は愛媛県のご出身です。1971年に香川大学経済学部を卒業後、京都大学大学院経済学研究科に進学し、修士課程を修了されました。この間、経済学に関する専門知識を深め、研究者としての基礎を築かれました。

研究分野

二宮氏の研究は、経済学を基盤としつつ、労働問題や生活問題、社会福祉、公共政策など、幅広い分野に及んでいます。特に、新自由主義的な政策が社会に及ぼす影響について、批判的な視点から研究を進めておられます。市場原理主義的な考え方や規制緩和が、社会の公平性や持続可能性を損なう可能性を指摘し、より人間らしい社会のあり方を追求しておられます。

主な著書

二宮氏は、数多くの著書や論文を発表されています。以下は、その一部です。

構造改革と保育のゆくえ―民営化・営利化・市場化に抗して
現代資本主義と新自由主義の暴走
新しい福祉時代をつくる―市場化・規制暖和と民間社会福祉 （共著）
人間発達と公共性の経済学（共著）
日本社会の対抗と構想（共著）
公務員制度の変質と公務労働―NPM型効率・市場型サービスの分析視点 （共著）
どうする日本の福祉―新自由主義に対抗する社会保障運動（共著）
自治体の公共性と民間委託―保育・給食労働の公共性と公務労働
憲法25条+9条の新福祉国家 二宮 厚美
コミュニケーション的関係がひらく障害児教育―神大附属養護学校の教育実践
日本財政の改革（共著）
未来の日本へ、未来の福祉へ―ゆたかさという対岸への船出のために（共著）
暮らしと女と街づくり―協同のネットワーク（共著）
生きがいの構造と人間発達（共著）
構造改革とデフレ不況―やさしく、ふかく、現代日本経済入門
21世紀への構図を読む
生活と地域をつくりかえる―願いわけ集団づくり
日本経済の危機と新福祉国家への道
生協運動の新時代―「転換期」から地域づくりへ（共著）
児童福祉法「改正」と公立保育所の役割―子ども・父母・保育者にやさしい保育所をめざして（共著）
* 児童福祉法「改正」と私たちの保育 （共著）

これらの著書を通じて、二宮氏は、社会のあり方や福祉のあり方について、深く考察し、読者に問いかけています。

社会への貢献

二宮氏の研究は、単に学術的な領域にとどまらず、現実の社会問題に対して具体的な提言を行うことで、社会の進歩に大きく貢献しています。特に、新自由主義的な政策に対する批判的な視点は、社会福祉や公共政策の分野において、重要な議論のきっかけとなっています。二宮氏の活動は、より公正で、人間らしい社会の実現を目指す上で、不可欠なものとなっています。

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